吉永小百合 124本目映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」登山家・田部井淳子さんの生涯描く

2024年08月21日 07:00

芸能

吉永小百合 124本目映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」登山家・田部井淳子さんの生涯描く
124本目の撮影に入った吉永小百合(撮影 三浦憲治) Photo By 提供写真
 女優の吉永小百合(79)が世界最高峰エベレストの登頂に女性として世界で初めて成功した登山家・田部井淳子さんの勇壮な生涯を演じることが決まった。タイトルは「てっぺんの向こうにあなたがいる」で、阪本順治監督(65)と「北のカナリアたち」以来13年ぶりの再タッグ。田部井さんのエベレスト初登頂から50周年となる2025年秋に公開される。(佐藤 雅昭)
 吉永にとって124本目の出演作が始動した。製作総指揮に当たる木下グループの木下直哉社長(58)は吉永自らの企画と明かす。「次はどんな作品にしましょうか?」の問いかけに吉永が差し出したのが田部井さんの著書の一冊だった。

 映画は余命宣告を受けながらも77歳で亡くなる直前まで山に登り続けた女性登山家の生きざまを描く。1950年、10歳の時の那須岳登山が田部井さんの原点だ。75年5月16日にエベレスト登頂に成功して以来、7大陸の最高峰を次々と制覇するなど76カ国の最高峰・最高地点の登頂に成功し、世界にその名をとどろかせた。

 晩年は腹膜がんと闘いながら社会貢献に尽力。12年には東日本大震災で被災した高校生のための富士登山プロジェクトを開始。16年7月27日に高校生と一緒に富士登山に挑んで7合目まで登った。亡くなったのはその3カ月後のことだった。

 3000メートル級での撮影に備え、1カ月前から都内の専門施設で高所順応テストを受け、低酸素トレーニングも行って準備を整えた吉永は「田部井淳子さんと対談したのは12年。明るくて、楽しいお話をいっぱい聞かせてくださいました。今、私は、『せかいのおきく』という素晴らしい映画を創った阪本監督の下、“世界の淳子”役に全力で挑戦します」とコメント。阪本監督も「求められるのは、宮本武蔵の五輪書よろしく、ガレ場の荒野に一本の真っすぐな道を築くような力業。みんなで頑張ります!!」と気合十分だ。18日にクランクイン。映画俳優の最高峰にそびえる吉永が124本目の一歩を力強く踏み出した。

 ≪自身のラジオにも招く≫吉永は自身がパーソナリティーを務めるTBSラジオ「今晩は 吉永小百合です」(日曜後10・30)に田部井さんを招いた縁がある。田部井さんの子息で、母の遺志を継いで高校生の富士登山プロジェクトリーダーを務める田部井進也氏は「映画を通じ、母のような女性がいたことを知っていただけたら幸い」と話している。

 田部井 淳子(たべい・じゅんこ)1939年(昭14)9月22日生まれ、福島県三春町出身。69年「女子登攀(とうはん)クラブ」設立。75年エベレスト日本女子登山隊副隊長。20~40代女性のための山の会MJリンクの発起人。「エベレスト・ママさん 山登り半生記」(山と渓谷社、78年)など著書多数。75年、日本スポーツ賞受賞。

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