【有馬記念】ファン投票ワンツー タイトルホルダーVSエフフォーリア ワクワクする横山「兄弟対決」

2022年12月19日 05:30

競馬

【有馬記念】ファン投票ワンツー タイトルホルダーVSエフフォーリア ワクワクする横山「兄弟対決」
ウッドチップコースで調整するタイトルホルダー(撮影・郡司 修) Photo By スポニチ
 さあグランプリウイーク。2022年の総決算「第67回有馬記念」(25日、中山)が、いよいよ目前に迫っている。注目は歴代最多得票でファン投票1位に輝いたタイトルホルダー(栗田)と同2位エフフォーリア(鹿戸)の4歳両雄。騎乗する横山和生(29)、横山武史(23)の兄弟が、それぞれの思いを語っている。
 「兄弟対決」と銘打つのは本当は正しくない。横山和生も横山武史も見ているのは自分の騎乗馬だけ。他は全てライバル。そこに血縁の介在する余地はない。それでも有馬記念ファン投票1位、2位に兄弟が騎乗する事実にワクワクする。

 タイトルホルダーに騎乗する兄の和生はまず、歴代最多となった36万8304票への感謝から切り出した。

 「凄い票数ですよね。そういった馬と、また有馬記念に出走できる。騎手としての幸せを感じます」

 ちょうど1年前の有馬記念、弟の武史からバトンを受ける形で初タッグ(5着)。残り200メートルまで先頭に立ち「夢を見た」。その続きは今春すぐに実現。初戦の日経賞こそ辛勝だったが、「仲良く走ろうと心がけた」天皇賞・春で2着に7馬身差をつける圧勝劇。和生にとって初のG1勝利。宝塚記念も制して、現役最強の座を確たるものにした。

 一方、昨年の有馬記念覇者であるエフフォーリアにとっては試練の一年だった。春は大阪杯9着、宝塚記念6着と惨敗。昨年、圧倒的なパフォーマンスでG13勝。年度代表馬に輝いた強さは影を潜めた。3歳時のうなるような前向きさは、今はない。ただ、それを落日と捉えるのは気が早すぎる。武史は「昨年を求めるのではなく、今のエフフォーリアを受け止めて、最善を尽くしたい」と言う。落ち着いた先にある、成長した姿は見えている。

 武史は1週前追いに騎乗して「春よりは間違いなくいい」と評して、主戦騎手ならではのポイントを挙げた。「昨年の有馬以降、手前(軸脚)をうまく替えられなくなった。だが、今回は不器用ながらも一発で替えてくれた。小さな動きだが、とても大事なアクションだと思う」と兆しをつかんだ。

 昨年とはエフフォーリアとの立場を逆にしたタイトルホルダーだが、日本の総大将として臨んだ凱旋門賞では道悪に泣き11着。帰国初戦の今回、和生が1週前追い切りに騎乗した。

 「道中の機嫌、3~4角の合図に対する反応、前の馬に並ぶ時、抜いた時の反応を一つ一つ確認。海外帰りでも不安要素なくこられたのが何より。僕は出来上がった段階で乗せてもらっているが、これまでと遜色ない動きでした」と改めて最強を証明するべく、確かな感触を得た。

 兄弟だからと意識することはないが、有馬記念はファンの思いを確かに感じ取れる。ファン投票1位タイトルホルダーに騎乗する上で和生はこう意気込む。「G1なので出走馬それぞれが凄い武器を持っている。他の馬に気を取られず、馬自身の走りに集中したい」。力を出し切ることが、ファンの思いに応えることになる。そう覚悟を決めた表情だった。

 《84年以降兄弟騎手3例目》グレード制導入の84年以降で、有馬記念に共に騎乗した兄弟騎手は3例。武豊・武幸四郎が5回。97年は豊マーベラスサンデー2着、幸四郎オースミタイクーンが5着。ミルコとクリスチャンのデムーロ兄弟が3回。横山和生・武史が昨年1回。昨年は1着武史(エフフォーリア)、4着ミルコ(ステラヴェローチェ)、5着和生(タイトルホルダー)と5着までのうち3頭を兄弟騎手が占めた。

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