【服部道子の目】世界1位のコ 強風下でもショートゲームの強さ出た
2016年08月20日 20:34
五輪
第3日は強い風が吹きました。風が吹くと注意しなくてはいけないことが多くなります。また第2日までと吹いてくる方向が違ったのでコースの攻め方を変えなければいけません。マネジメントが大変だったと思います。厳しい条件下で日本の2人もスコアを落としてしまいました。
野村さんは風に負けない重い球を打てる選手でショットの調子も良かったのですが、少しの判断の迷いがミスにつながってしまった印象です。例えば14番パー3ではティーショットをグリーン右手前のバンカーに入れてボギーとしてしまいました。ピンポジションは左の奥で、あのバンカーからパーを取るのは非常に難しいのです。本来はパーを取れない場所に外すようなミスをする選手ではないだけにもったいないと感じています。
大山さんは前半からショットが安定しませんでした。上位と大差が付いていたので、目標のメダルを獲得するにはビッグスコアを出すしかないと考えていたはずです。それが力みにつながったのではないかと思います。
世界ランキング1位のコ選手が金メダル争いに加わってきました。彼女の最大の強みはショートゲームです。100ヤード以内のショットの精度は抜群です。そしてここ一番でのパットの勝負強さも傑出しています。飛距離は米ツアーのランキングでも118位と飛ぶ方ではありません。しかし第2打で長いクラブを持たされても、まるでショートアイアンで打っているかのような正確性があるうえに、球の高さ、距離感、スピン量を自在にコントロールできます。強い風の中でもスコアを伸ばしたのはさすがです。(プロゴルファー)
◆服部 道子(はっとり・みちこ)1968年(昭43)9月8日、愛知県日進市生まれの47歳。11歳でゴルフを始める。米テキサス大オースチン校卒。日本女子アマチュア選手権優勝3回。85年全米女子アマチュア選手権優勝。91年プロ転向。国内ツアー通算18勝(メジャー3勝)。98年賞金女王。1メートル68。59キロ。