久保 倒れ込み号泣…好機演出もメダル逃す「こんな悔しいことはない」
2021年08月07日 05:30
サッカー
![久保 倒れ込み号泣…好機演出もメダル逃す「こんな悔しいことはない」](/soccer/news/2021/08/07/jpeg/20210807s00002014031000p_view.webp)
「終わっちゃったなというのと、メダルを最後に獲って終わろうと言ったのに獲れなかったことのむなしさというか。自分が決めていれば、アシストしていたら、PKを取っていたら。いろんなことを考えました」
暑さが容赦なく体力を奪う中、中2日という過密日程での連戦。体が思うように動かない。それでも攻撃陣を引っ張った。前半25分、左サイドで2人を引きつけてMF相馬への見事なパス。3分後にはペナルティーエリア外の右で得たFKから、得意の左足で相手ゴールを強襲した。だが、最後までゴールネットを揺らせなかった。ふがいなさが募る。
「今日ぐらいの相手だったら、3人くらいマークがついていても、剥がしてどフリーの選手にパス出すだったりシュートを決めきるだったり、それくらいじゃないといけない」
久保には日本をサッカー大国に押し上げると誓った“コルカタの夜”が刻まれている。17年10月17日、U―17W杯インド大会決勝トーナメント1回戦。優勝したイングランドと0―0の死闘を演じ、PK戦の末に散った。久保は何度もゴールに迫ったが、1点が遠かった。チームを勝たせられなかった。体にまとわりつく暑さの中、久保は立ち尽くし、相手の歓喜の様子を見ていた。「この敗戦は一生忘れない」――。
その夜、悔しさで眠れなかった。同部屋だった当時の主将の福岡慎平(J2京都)との会話は自然と熱を帯びていく。チームのこと、今後のこと、そして、日本サッカー界の未来のことも。気づけば、朝方になっていた。「日本が5年後10年後、サッカー大国になっていてもおかしくない。可能性は十分ある」。久保は、その旗頭になると心に決めた。
金メダル獲得を掲げた東京五輪は終わった。しかし、挑戦はまだまだ続く。9月から始まる22年W杯カタール大会のアジア最終予選、そして本大会へ。その先に24年パリ五輪でのリベンジもある。
「今までサッカーだけやってきて、こんな悔しいことはない。自分はここで終わりじゃない。サッカーをやめたいとも思わないし、どんどん努力して、サッカーだけやっていれば神様はチャンスをくれる」。久保の夢は終わっていない。まだ、始まったばかりだ。
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