なでしこV戦士が語るスウェーデン攻略法 川澄“有効ショートカウンター” 安藤“簡単にクロス許すな”

2023年08月11日 05:30

サッカー

なでしこV戦士が語るスウェーデン攻略法 川澄“有効ショートカウンター” 安藤“簡単にクロス許すな”
スウェーデン戦の鍵を握る宮沢(AP) Photo By AP
 女子W杯準々決勝でFIFAランク11位の日本代表「なでしこジャパン」は、11日午後7時半(日本時間同4時半)からニュージーランドのオークランドで同3位のスウェーデンと対戦する。11年W杯ドイツ大会優勝メンバーで、準決勝スウェーデン戦で2ゴールした川澄奈穂美(37=新潟)と安藤梢(41=三菱重工浦和)は、澤穂希を超える1大会日本人最多6得点目を狙うMF宮沢ひなた、主将のDF熊谷紗希らをキープレーヤーに挙げ、攻守両面での攻略法を語った。
 ≪川澄注目 ひなたの裏取るスピード≫私は過去、スウェーデン戦に4試合出場しました。1トップに足の速い選手がいて裏に抜け出す、いわばカウンターを得意とするチームで、それは今も受け継がれています。おそらく、日本はボールを持てると思う。ただ、持っているのか、持たされているのかで状況は違います。相手も、(日本が)ボールを持つことは想定済み。そこは警戒しないといけません。

 (決勝トーナメント1回戦の米国戦で)スウェーデンはシュートを打たれていたけれど、全員が集中して守っていました。そこをこじ開けるために問われるのは、アイデアとコンビネーションです。奇麗に崩して得点を取れればいいけれど、それはなかなか難しい。むしろああいう相手には、前からプレスをかけてショートカウンターを狙うのが効果的。相手が整う前に攻める必要があります。そこで効いてくるのが宮沢選手のスピードです。あのスピードを使って一度裏を取る。そこからペナルティーエリアの周りでパスを回すという、なでしこの得意なプレーをすれば、ゴールが見えてくるでしょう。

 彼女はグーッと伸びていくスプリント力に秀でています。70分を過ぎた後でも、それができ、さらに判断の速さも魅力です。米国にいた時から、WEリーグでのプレーは映像で見ていました。その時のポジションはボランチよりやや前の中盤だったので、ちょっともったいないなと感じていました。だから、ゴールにより近く、ゴールが正面に見える今のなでしこの布陣は、凄く合っていますね。

 12年前の私たちを見て“川澄選手に憧れてヘアバンドをするようになった”という記事を読んで、へえーそうなんだと思ったし、実際、日本代表でプレーしているなんて本当に感慨深い。ぜひ、チームを勝たせるゴールで日本の1大会最多記録を樹立してほしいです。(新潟MF)

 ≪安藤期待 熊谷の経験値≫なでしこジャパンの内容も結果も素晴らしいですし、外からでも良いチームだと感じます。8強まで勝ち進むと何が起こっても不思議ではありません。チーム一丸となり、日本の良さをぶつけて勝利してほしいです。

 対スウェーデンで最も注意すべき点は、やはり「高さ」です。試合映像をいくつか確認しましたが、セットプレーの得点も多い。日本はノルウェー戦でクロスから失点を喫しました。自陣でのファウルを減らすのはもとより、CKを与えないことも大事で、CKになりそうなボールをスローインにする。クロスを上げさせないよう体を張り、もしハイボールを上げられたら、体を当てて100%の状態でヘディングをさせない。相手の強みを極力出させないようにプレーすることが大切です。当たり前の高さ対策をどこまで細かくできるかが鍵です。

 スウェーデンには欧州CLで4強入りするチームに所属する選手が多く、「高さ」だけでなく「スピード」にも気を付けないといけません。組織力も高く、そこが決勝トーナメント1回戦で戦ったノルウェーとの大きな差だと思います。

 キーパーソンは11年W杯優勝メンバーの熊谷選手。勝ち上がれば上がるほど、相手が強豪国であるほど、彼女の価値が分かります。数々の経験から、ここでやられてはいけないという大事な場面、時間帯でするべきプレーを理解している。守備陣の統率力を含めて、活躍を期待したいです。

 3バックには熊谷選手、南選手、高橋選手、石川選手と浦和に関係のある選手が多いです。みんなが日本人離れしたフィジカルを持っていて、メンタルが強い。彼女たちがピッチに立っているのは、頼もしい限りです。(三菱重工浦和FW)

 ◇川澄 奈穂美(かわすみ・なほみ)1985年(昭60)9月23日生まれ、神奈川県出身の37歳。日体大卒業後、INAC神戸や米女子プロリーグなどでプレーし、今夏、新潟に加入。08年になでしこジャパンデビュー。先発起用された11年W杯準決勝のスウェーデン戦では、約30メートルのミドル弾など2得点を挙げた。11、15年W杯、12年ロンドン五輪出場。

 ◇安藤 梢(あんどう・こずえ)1982年(昭57)7月9日生まれ、栃木県出身の41歳。高校2年の99年になでしこジャパンデビュー。99、07、11、15年W杯とアテネ、北京、ロンドン五輪に出場した。ドイツ1部デュイスブルクなどを経て、現在も三菱重工浦和でプレーを続ける。昨季WEリーグではDFも務め、MVPを獲得した。

おすすめテーマ

2023年08月11日のニュース

特集

サッカーのランキング

【楽天】オススメアイテム