シン・小池百合子氏、受けて立つ 都知事選へ出馬表明 マニフェスト「近いうちに」 3選へ静かな船出

2024年06月13日 04:40

社会

シン・小池百合子氏、受けて立つ 都知事選へ出馬表明 マニフェスト「近いうちに」 3選へ静かな船出
東京都議会定例会最終日の本会議で、都知事選に3選を目指し出馬表明する小池百合子知事 Photo By 共同
 東京都の小池百合子知事(71)が12日、3選を目指し東京都知事選(20日告示、7月7日投開票)に無所属での出馬を表明した。勝負カラーの緑ではなく、青色のジャケット姿で都議会定例会最終日の本会議に出席。「バージョンアップさせた“東京大改革3・0”を進めていく。この覚悟を持って出馬を決意した」と述べた。
 過去2回は会見を開き、大々的に出馬を表明。初挑戦となった2016年は、当時所属していた自民党の了解を得ずに出馬の意向を示し、党都連を「ブラックボックス」と揶揄(やゆ)。新型コロナウイルス下だった20年は、告示直前の6日前に表明する“後出しジャンケン”でインパクトを与えた。それに比べて、静かな船出となった。

 当初、定例会初日の5月29日の表明を検討していたが、その2日前に立憲民主党の蓮舫参院議員(56)が出馬を電撃表明。お株を奪われる形となり、見直しを迫られた。

 政治評論家の伊藤惇夫氏は「これまでは、自民党や党都連など自分よりも巨大な敵に挑むジャンヌ・ダルクを演じてきた。しかし、今回は3選を目指す現職として挑戦を受ける形。横綱相撲を取ることになる。議会で穏やかに表明することで、そうした構図を鮮明にしようとしたのではないか」と指摘。“受けの選挙”となり「これまでのように激しいパフォーマンスはせず、ガラリと戦い方を変えてくると思う」とし、“シン・小池”誕生の可能性を示唆した。

 不安材料もある。支援を表明した自民党との関係だ。同党は裏金事件で逆風を受けており、伊藤氏は「東京都の有権者の多くは無党派層」と、影響は大きいとした。その他にも、元側近の小島敏郎氏の告発で学歴詐称疑惑が再燃。小島氏は、今回の選挙公報で小池氏がエジプト・カイロ大学卒業を明記した場合には刑事告発も辞さない構えを示している。

 小池氏は本会議後に会見。ずらりと並ぶテレビカメラを見渡し「今、リアルでやってらっしゃるのはどこ?」と、生放送のカメラを確認するなどらしさも見せた。ただ報道陣の質問に詳細は語らず。公約についても「近いうちにお伝えする」とだけ話し、会見を打ち切った。公約の発表は蓮舫氏より先か後か。“シン・小池”の次の一手に注目が集まる。

 ≪「東京をもっと!よくする会」設立≫小池氏側が政治団体「東京をもっと!よくする会」を設立していたことも判明。都知事選立候補に伴い、政党に準じた選挙運動が可能な「確認団体」として届け出る。自民や公明の都議らが参加するとみられる。小池氏は本会議後の取材で「もっとよくなる、もっとよくする東京を皆さんとともに進めていきたい」と話していた。

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