6億円超の保険金目的の替え玉殺人 33歳男に懲役30年「極めて強い殺意の下で計画的」

2024年07月03日 05:30

社会

 愛知県清須市の大学生にアルコールや睡眠導入剤を大量摂取させて殺害したなどとして、殺人と詐欺の罪に問われた広島市西区、職業訓練生南波大祐被告(33)の裁判員裁判で、広島地裁は2日、人命軽視の態度が甚だしいとして求刑通り懲役30年の判決を言い渡した。
 石井寛裁判長は判決理由で「保険金目的の替え玉殺人であり、金目当てで人命を奪う極めて悪質な犯行」と非難。「殺害方法に関しインターネットで多数の検索履歴があり、極めて強い殺意の下で計画的に行われた」と断じた。

 判決によると、被告は2021年11月、知人の大学生安藤魁人さん=当時(21)=に睡眠導入剤を摂取させた上、広島県廿日市市のホテルに連れ込み、アルコールを注射器で肛門から注入。意識障害を生じさせて吐物誤嚥で窒息させた。

 被告は弟を受取人に自身に6億円超となる生命保険をかけており、保険金を得る目的で、替え玉として事故死を装って殺害したとした。

 公判で被告は起訴内容の認否を黙秘していた。最終意見陳述では「ご遺族の皆さまに心よりおわびしたい。反省しながら生きていきたい」と述べていた。

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