防衛省 不祥事続出で218人処分 海自トップ事実上の更迭 自衛官募集に影響の可能性も

2024年07月13日 05:30

社会

防衛省 不祥事続出で218人処分 海自トップ事実上の更迭 自衛官募集に影響の可能性も
東京・市谷の防衛省 Photo By 共同
 防衛省は12日、特定秘密の不適切運用やパワハラなど4項目の不祥事で、海上自衛隊トップの酒井良海上幕僚長ら最高幹部6人を含む218人(延べ220人)を処分した。木原稔防衛相は「情報保全体制の抜本的強化に全力を尽くす」と再発防止を強調。ただ海自では、潜水艦の乗員が川崎重工業から不正に金品を受領していた疑いがあり、国民の信頼回復に向けた先行きは不透明だ。
 懲戒処分を受けたのは、酒井氏ら計117人。酒井氏は指揮監督が不十分だったとして減給30分の1(1カ月)となり、19日付で退職する。事実上の更迭とみられる。臨時の記者会見では「組織のガバナンス能力の欠落が根底にある。責任を問われるのは当然のことだ」と謝罪した。

 防衛省によると、特定秘密の問題では、秘密を扱う公務員らの身辺を調査する「適性評価」を経ていない隊員が特定秘密を知りうる状態だった。海自を中心に26人を懲戒処分にした。

 再発防止策では、特定秘密を扱う区画への立ち入りを電子錠で制限する他、立ち入りが想定される全職員約2千人に追加で適性評価を実施する。

 海自の潜水手当の不正受給と自衛隊施設での不正飲食、「背広組」中心の内部部局(内局)でのパワハラでは、隊員教育の徹底を図るとした。

 海自では、潜水艦修理契約を巡り、川重が捻出した裏金を原資に、乗員が金品などを受け取っていた疑惑がある。木原氏は今月5日「特別防衛監察」の実施を指示。川重も調査している。

 2023年度の自衛官の採用率は計画に対し51%と過去最低。相次ぐ不祥事は自衛官の募集に影響する可能性もある。

おすすめテーマ

2024年07月13日のニュース

特集

【楽天】オススメアイテム