松山城山麓で土砂崩れ 住宅倒壊し3人行方不明 天守付近道路に亀裂複数

2024年07月13日 05:30

社会

松山城山麓で土砂崩れ 住宅倒壊し3人行方不明 天守付近道路に亀裂複数
松山城(右上)付近の山の斜面が崩れ、土砂が住宅地に流れ込んだ現場(共同通信社ヘリから) Photo By 共同
 12日午前3時50分ごろ、松山市緑町1丁目で土砂が崩れ、マンションや住宅に覆いかぶさっていると119番があった。愛媛県や県警によると、木造住宅1棟が倒壊し住人とみられる40代男性、80代女性、90代男性の行方が分からず、逃げ遅れた可能性がある。県警は約80人態勢の市消防局とともに捜索している。
 市などによると、現場は国の重要文化財の松山城がある山の麓。山の北東側斜面が幅約50メートル、高さ約100メートルにわたって崩れた。松山城天守付近の道路などで複数の亀裂が見つかり、市は土砂崩れの起点になったかどうかなど詳しい状況や原因を調査する。

 道路は緊急車両の通行用で、昨年7月の大雨で斜面を支える擁壁が傾いた。当初亀裂はなかったが、今年6月30日~7月1日の大雨で擁壁の傾きが増して地面が下がり、でこぼこが生じて数本の亀裂が見つかった。

 市はその後、復旧工事を始めて擁壁を約20メートル取り除いた。山肌がむき出しになったため、雨水対策として道路や斜面をブルーシートで覆った。気象庁によると、同市では10日夜の降り始めから12日午前8時までに平年の7月の1カ月分に相当する213ミリの雨が降った。市の担当者は「想定外の雨量だった」としている。

 現場はJR松山駅の北東約1・8キロの市中心部。周辺の住宅やマンションに土砂が流れ込み、重機などで土砂を取り除く作業が進められた。市は付近の清水地区に住む1万3226世帯の2万2062人に「緊急安全確保」を発令した。

 発生当時は市内に大雨注意報が出ており、その後大雨洪水警報と土砂災害警戒情報が出た。松山城は12日の天守の営業を取りやめ、山頂へのロープウエーとリフトの運転も始発から見合わせた。

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