トランプ氏 銃撃される 右耳貫通も命に別条なし 会場外150メートル先からライフル8発撃った?

2024年07月15日 05:30

社会

トランプ氏 銃撃される 右耳貫通も命に別条なし 会場外150メートル先からライフル8発撃った?
演説中に銃撃を受けたトランプ前大統領(中央)(AP) Photo By AP
 11月の米大統領選で返り咲きを目指す共和党のトランプ前大統領(78)が13日、米東部ペンシルベニア州バトラーで開かれた選挙集会で演説中に銃撃された。銃弾は右耳上部を貫通。頭部側にずれていたら、命を落とすところだった。一方、集会参加者の男性1人が死亡、男性2人が重傷を負った。容疑者は屋外会場の外からライフル銃で複数回発砲、大統領警護隊(シークレットサービス)に射殺された。米連邦捜査局(FBI)は銃撃犯を同州に住む20歳の男トーマス・クルックス容疑者と特定した。
  話し始めて6分ほど経過した午後6時15分ごろだった。自身が退任した頃は米国史上で最も不法移民が少なかったと強調し「史上最悪の大統領が就任して何が起きたかを見てほしい」と民主党・バイデン大統領(81)の弱点である国境管理の混乱を批判する中で断続的に銃声が響いた。

 右耳に一瞬、手を当てて演台の下にしゃがみ込んだトランプ氏。約1分後、銃声を受け瞬時に周囲を取り囲んでいた警護隊に抱きかかえられるように立ち上がると、退避させようとする警護隊員を「待て!待て!」と制止、会場を埋め尽くした数千人の支持者に向け「ファイト!」と繰り返して拳を3回連続で突き上げてみせた。右耳から出た血が頬に太い筋をつけて流れ落ちていた。

 心配そうに見守っていた支持者は一斉に立ち上がり、「USA!USA!」と地鳴りのような歓声を送る。それに応えるように移動し始めた後も手を振るなどし、車に乗り込む際も拳を突き上げた。
 必死の形相で移動をせかす警護隊員に「靴を履かせてくれ」と4度も繰り返し、動こうとしなかった。身の危険より靴も履かずに逃げる様子をさらすのを嫌がるようだった。取り乱さず「暴力に屈しないリーダー」の姿をアピールした格好だ。

 銃撃地点は屋外の会場に隣接する建物の屋上で、トランプ氏まで約150メートルの距離。地元メディアは8発の弾丸が撃ち込まれたと伝えた。「伏せろ!」という声が飛び交い、熱狂に包まれていた会場は悲鳴と怒号が交錯し、パニックに陥った。

 大統領候補として指名される共和党大会前では最後の集会。バイデン氏と激しく争う激戦州のてこ入れを目的としたものだった。

 トランプ氏は事件発生から2時間半ほどたってSNSに「私たちの国でこのようなことが起きるとは信じられない」と投稿。被害者への哀悼の意を示すなどした上で「右耳の上部を銃弾が貫通した。すぐに何かがおかしいと分かったのは、ビュンビュンという音が聞こえ、銃弾が皮膚を裂くのを感じたからだ。何が起こったのか理解した」と記した。

 支持者宛てのメールでは「私は屈しない」というメッセージを送信。一夜明けた14日には、15日から始まる共和党大会で演説することを「楽しみにしている」とSNSに投稿し、参加する意向を表明した。陣営も体調は良好だとして出席するとの声明を発表した。

 自身が標的になった暗殺未遂事件でさえ、勝利に向けて利用するしたたかさを見せた。

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