耳から流血も拳を突き上げて…トランプ氏 強い指導者像誇示 民主党は“批判戦略”見直し必至

2024年07月15日 05:30

社会

耳から流血も拳を突き上げて…トランプ氏 強い指導者像誇示 民主党は“批判戦略”見直し必至
13日、米東部ペンシルベニア州バトラーで、銃撃を受けた後に拳を突き上げるトランプ前大統領(ゲッティ=共同) Photo By 共同
 演説中に銃撃されたトランプ氏は、負傷した耳から血を流しながら拳を何度も突き上げ、支持者に強さをアピール。高齢不安で失速するバイデン氏を尻目にタフな指導者像を示した形だ。強い指導者を求める米国人へのアピール材料になるのは間違いなく、大統領選に大きな影響を与えそうだ。
 共和党はこの日、銃撃を防げなかったのは警備態勢の「失態」と指摘。政権への攻撃材料にする構えを見せた。対する民主党は、戦略の見直しを余儀なくされている。バイデン氏の陣営は、この時期にトランプ氏を攻撃するのは不適切だと判断し、選挙広告の中断を決定。「対外発信を一時停止し、テレビ広告も速やかに取りやめる」とした。また「トランプ氏が政治的暴力をあおった」とその危険性を際立たせることを軸に選挙戦を展開してきたが、トランプ氏が被害者になったことで、今後はこうした批判をしづらくなった。

 有権者の反応はさまざまだ。フロリダ州マイアミから演説会場に訪れていたボブ・クンストさん(82)はショックを受けながらも「トランプ氏は生き残ったヒーローとして党大会で演説してほしい。大統領への返り咲きは間違いない」と期待。党大会の会場近くの飲食店に勤める民主党支持の女性は「銃撃は決して受け入れられない。でも、これでトランプ氏の支持が高まるのは間違っている。米国民は冷静でいるべきだ」と話した。

 11月の本選まで約4カ月。選挙戦からの撤退圧力を受けるバイデン氏の動向で米国のニュースが持ちきりの中で起きた今回の事件。バイデン氏にとってプラス材料に働くことはなさそうだ。

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