動機は?トランプ氏銃撃の男は20歳共和党員 民主党に寄付の記録も

2024年07月15日 05:30

社会

動機は?トランプ氏銃撃の男は20歳共和党員 民主党に寄付の記録も
耳の傷口から流血するトランプ前大統領(AP) Photo By AP
 連邦捜査局(FBI)はトランプ前大統領を銃撃し、現場で大統領警護隊(シークレットサービス)に殺害されたのは、演説が行われていたペンシルベニア州在住の男トーマス・クルックス容疑者(20)と発表した。クルックス容疑者は共和党員として有権者登録をしながら民主党支持団体に寄付した記録があった。犯行の動機は分かっていない。
 SNS上には容疑者とみられる男が、倉庫のような建物の屋根の上に横たわりライフルを構える姿や、シークレットサービスに銃撃され動かなくなった姿を撮ったとされる画像が複数投稿された。男は身分証明書を携帯しておらず、DNA鑑定の結果、クルックス容疑者と判明した。

 複数のメディアの情報を総合すると、クルックス容疑者は、演説会場から車で約1時間のところにあるベッドタウン、ベセルパーク出身で在住。2022年、地元のベセルパーク高校を卒業した。インターネット上に残っている卒業式の映像では、クルックス容疑者とみられる男は長身痩せ型の白人。眼鏡をかけ、黒いガウンに身を包んで、証書を手に笑顔を見せている。学業で功績があったのか、地元紙によると教育団体「全米数学・化学イニシアチブ」から「スター賞」を授与され、500ドルを受け取ったという。犯罪歴は確認されていない。

 クルックス容疑者の名前が発表されると、自宅周辺を警察が規制。父親はCNNの取材に「どうなっているのか分からない」とコメントした。

 クルックス容疑者は18歳になった2021年9月、共和党員として有権者登録。一方で同年1月、トランプ支持者による議会議事堂襲撃事件の2週間後に、民主党の支援団体に15ドル寄付した記録も残っている。有権者登録後、今年11月が初めての大統領選投票だった。犯行当時、銃器使用を支持するYouTubeチャンネルのTシャツを着ていた。

 当局は、クルックス容疑者が倒れていた場所から殺傷能力の高い「AR15型」の半自動小銃を押収した。銃器ジャーナリストの津田哲也氏によると「米軍が採用しているアサルトライフルを民間用に改良したもの。軍用がフルオートマチックなのに対し、セミオートマチックになっていて、1発ごとに引き金を引かなければいけないタイプ」という。トランプ氏までは約150メートルの距離があったが「スコープを使えば、訓練を受けていなくても200メートルぐらい先でも当てることができる」という。ただ、かなり反動があるため「現場の映像を見ると、短い間隔で8発ほど発射されている。1発ごとに狙い直すのはかなり厳しかったのではないか」と指摘。クルックス容疑者にとっては、反動で狙いが定まらなかった可能性がある。
 

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