「血圧が高い」「体脂肪率が高い」「尿酸値が高い」…健康診断での指摘放っておかないで!!
2024年07月17日 09:30
社会
![「血圧が高い」「体脂肪率が高い」「尿酸値が高い」…健康診断での指摘放っておかないで!!](/society/news/2024/07/17/jpeg/20240717b00042000001000p_view.webp)
「人生100年時代」を迎える私たちにとって、生活習慣の乱れは万病のもと。たとえ長生きしても、健康でなければ、その人なりの「QOL(クオリティー・オブ・ライフ)」を維持することはできないのだ。
5~6月に職場や地域で受けた健康診断を通して「血圧が高い」、「体脂肪率が高い」、「尿酸値が高い」などと指摘された人もいるだろう。いずれも糖尿病や痛風といった生活習慣病へつながる可能性があり、放置するとさらにその先にはインスリン注射や透析などのリスクもあるということだ。
前述の通り「有所見率」はほぼ6割という報告もあり、再検査、要治療、要精密検査などと診断されても、予防や改善を実践しないというケースが見られるという。その理由について農水省の調査では、生活習慣病の予防や改善を行わない理由として「面倒だから」、「自覚症状がない」、「時間的ゆとりがない」といった回答が上位を占めている。
そこで、日々、多くの生活習慣病患者と接している天沼先生に現状を聞いた。
【生活習慣の乱れは万病のもと…ひどくなる前に対策を。気になる数値への対処法は「減量」や「食事改善」】
厚労省発表の「有所見率」について「58.3%という数字が公開されていて、年々、上昇傾向にあります。脂質異常症などが重症化する前にスクリーニングするためにも健康診断をしており、少しでも推奨項目があれば早めに受診することが合併症など重症化の予防になります」と説明した。
そして「尿酸値の高さを指摘された方が多く来られます。痛風は風が吹いても痛いと言われるほどの激痛が走りますので、その予防のためや、発作の痛みを取りたいという切迫度が高い方も来院しています」と現状を明かした。
その対処法には「減量」や「食事改善」などがある。「体重はまず現体重の3~5%減を目標にします。食事は定食などバランスのいいものを摂取すること」とアドバイス。「数値が少しでも高くなっていたら、早めに受診してもらえれば」と説明した。
【食生活をガラリと変えることは負荷も手間もかかるので、できることから実践することが大事】
具体的には「麺類とおむすび」など炭水化物同士の組み合わせを避けたり、勤務の時間帯や長さに関わらず就寝3時間前までに食事を終わらせることなどが大切。そして栄養が不足しがちなのは朝だという。
「例えば朝食はパンだけではなく、そこにタンパク質を補えるヨーグルトや食物繊維を多く含むフルーツや野菜を付け足すことでバランスが良くなるだけでなく、血糖値の急上昇も抑えられます。コーヒーのみ、という方には牛乳を加えてカフェオレとして飲んでタンパク質を補うのも手です」
【尿酸値が上がってきたら尿酸値対策のヨーグルト、食物繊維が不足したら野菜ジュースやもずくなどがオススメ】
朝食以外でも、尿酸値が上がってきたら尿酸値対策のPA‐3、食物繊維が不足したら1日分の野菜が摂れる野菜ジュースやコンビニでも手に入るパックのもずくなども良いという。
「食生活をガラリと変えることは負荷も手間もかかるので、できることから実践することが大事」と明かした。その言葉通り、近年は特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品など市販でも取り入れやすいものがそろっているので、商品パッケージの表示にも注目し、個別の健康の悩みに応じて選んでみてもよさそうだ。
天沼先生は「仕事が忙しかったり、お酒が好きな方も多いと思います。健康診断の結果をしっかり確認し、要注意の項目がひとつでもあれば受診すること。脳梗塞など大きな病気につながることがあるので、放っておかずに予防すること、ぜひ日々の食事を少しでも見直したり気にかけたりしてみてください」とメッセージ。
今月末から夏休みという人もいるはず。この夏は健康に留意して過ごそう。
■両国東口クリニック/つばさクリニック管理栄養士 天沼佳那先生
2021年 管理栄養士取得。
2022年~ 両国東口クリニック勤務。
年間500件以上の痛風・慢性腎臓病・糖尿病の栄養指導実施。