激辛ポテチで高校生14人が救急搬送 ユーチューバーまね過激チャレンジ? 過剰摂取気をつけて

2024年07月17日 04:45

社会

激辛ポテチで高校生14人が救急搬送 ユーチューバーまね過激チャレンジ? 過剰摂取気をつけて
体調不良を訴えた高校生らが食べた激辛チップス(販売会社の公式サイトから)
 東京都大田区の都立六郷工科高で16日午後0時40分ごろ、体調不良者がいると119番があった。東京消防庁と警視庁蒲田署によると、高1の女子生徒13人、男子生徒1人の計14人が口や胃の痛み、吐き気などを訴え病院に搬送。いずれも軽症とみられる。生徒の1人が持ち込んだ激辛のポテトチップスを生徒約30人が食べた。
 商品は「磯山商事」(茨城県鉾田市)の「18禁カレーチップス」。塩味のチップスに激辛パウダーをかけて食べるもので、インターネットショップや小売店で販売。同社公式サイトによると、2007年にギネス世界記録で「世界一辛い」と認定された唐辛子、ブート・ジョロキアを「ふんだんに使用」。パッケージには「18歳未満の方は食べないでください」「手、指にキズのある方は素手では食べないでください」などの注意書きがある。

 同社は「現時点で詳細を把握できていないが、体調不良を訴えた方の一日でも早い回復をお祈り申し上げる」とコメント。これまでに同商品による体調不良の報告はなかったという。

 最近、激辛チップスを食べてどれだけ水を飲まずに我慢できるかを競う企画の動画がSNSで世界的に流行。ユーチューバーなどが挑戦し辛さに耐える様子が笑いを誘い再生数を伸ばしている。

 面白半分でマネをする若者もおり、過剰摂取が原因とみられる死亡事案も発生。昨年9月には米東部マサチューセッツ州の少年=当時(14)=が企画に挑戦した後、心臓に異常が起こり命を落とした。検視当局はトウガラシの辛み成分「カプサイシン」を大量に摂取したことが原因とする報告をまとめた。少年には心臓疾患があったといい、その影響があった可能性もある。国内外で激辛ブームとなっているが、専門家は辛すぎる商品や過剰摂取の危険性を呼びかけている。

 ≪1984年「カラムーチョ」が“元祖”≫

 日本に激辛ブームが到来したのは約40年前になる。1984年に湖池屋がこれまでになかった激辛スナック「カラムーチョ」を発売。86年の新語・流行語大賞では「激辛」が新語部門銀賞に選ばれている。

 その後、90年代にはタイ料理など東南アジア系のエスニック料理が流行。2002年にドラマ「冬のソナタ」が大流行し、韓国料理も浸透した。

 さらに「世界一辛い唐辛子」を使ったスナック「暴君ハバネロ」を東ハトが03年に発売。ほかにも「食べるラー油」(桃屋)、「ペヤング激辛!やきそば」(まるか食品)、米国で発売されている「デスソース」など、激辛新商品のブームはコンスタントにやってきている。

 最近は「第4次ブーム」とされ、山椒(さんしょう)や花椒を使った“シビレ系”が注目されている。ラーメン店でも激辛だけでなく“カラシビ系”も人気を集めている。

 ≪「カプサイシン」の量で決まる≫唐辛子の辛さは、含まれる辛味成分「カプサイシン」の量で決まり、一般的に「スコビル値」という数字で表される。唐辛子の紹介サイト「PepperScale」によると、今回の18禁カレーチップスに使われている「ブート・ジョロキア」は唐辛子の辛さランキングが約104万スコビルで20位。トリニダード・スコーピオン、キャロライナ・リーパーなど品種改良によって次々と激辛の唐辛子が生まれ、その都度、値を更新している。現在の1位は「ペッパーX」で約270万スコビル。昨年秋にギネス世界記録に認定された。

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