【立民代表戦】野田元首相、立候補表明「昔の名前で出ています」 同じ「中道」存在感低下、泉氏ピンチ

2024年08月30日 04:40

社会

【立民代表戦】野田元首相、立候補表明「昔の名前で出ています」 同じ「中道」存在感低下、泉氏ピンチ
立憲民主党代表選への立候補を表明する野田元首相(中央) Photo By 共同
 立憲民主党の野田佳彦元首相が29日、党代表選(9月7日告示、23日投開票)に立候補すると表明した。地元千葉県のJR津田沼駅前で記者団に「再び首相を目指す決意を固めた」と述べ、推薦人確保にめどが付いたとした。表明は枝野幸男前代表に続き2人目。
 同時期に行われる自民党総裁選を意識し、小泉進次郎元環境相らを念頭に随所で世襲批判を展開。総裁選の顔触れについて「華麗なキャリアを持った人とか、何世代も政治家を輩出してきた世襲議員がいる」とし、「議員定数削減とか世襲禁止など、本質的な政治改革を自らの手で実現していきたい。日本の世直しのために首相を目指す」と力を込めた。

 県議選に初挑戦以来38年間、首相在任中を除き街頭に立ち続けた。ゆずやコブクロを引き合いに「街頭から生まれた政治家」とアピールし「やたら改革もどきを言う世襲議員が多い。金魚に立ち向かっていくどじょうでありたい」と訴えた。

 また、総裁選が「刷新感を漂わせる演出になっている」として、「経験値に基づく安定感、国家を背負う覚悟と力量が問われる」と強調してみせた。

 出馬要請が相次ぐ中「熟慮中」と繰り返してきた野田氏。「刷新感」と対極にある「昔の名前」を自覚していた。民主党政権時代の2012年、反対を押し切り衆院解散に踏み切り惨敗、自民党の政権復帰を許した。多くの同僚が落選し党内には恨み節が残る。自嘲気味に小林旭のヒット曲「昔の名前で出ています」に触れてきた。

 この日も「まさに昔の名前で出ています。それでいいのか」「昔過ぎる」としつつ「刷新感ではなく、刷新という実態を実現するためには一定の経験が必要」と言及。「もう一回、政権を取り戻す道筋をつけるのが私の役割」と語気を強めた。

 「昔の名前」が出てきたことで、泉健太代表は推薦人20人の確保に難航、出馬できるか微妙とされる。基盤は20人弱が所属する「新政権研究会」。同じ中道路線の野田氏擁立論が高まったことで存在感が低下。様子見議員が増え、他グループへの広がりも欠く。野田氏は「泉氏を押しのけて出る形にはしたくない」(周辺)との思いも強かったが、表明したことで野田氏支持の流れが強まりそうだ。

 推薦人を確保できたとしても、再選に黄信号がともり続ける状況。当の本人は記者団に「(野田、枝野両氏は)今の路線とそんなに変わりはない。であれば、私がやらせていただいていいのではないか」と、対抗心をむき出しにした。

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