48人中交代は2人 石破首相 副大臣・政務官人事も「刷新感」なし「らしさがどんどん消えている」

2024年10月04日 05:30

社会

48人中交代は2人 石破首相 副大臣・政務官人事も「刷新感」なし「らしさがどんどん消えている」
 臨時閣議に臨む石破首相(中央) Photo By 共同
 政府は3日の臨時閣議で、石破内閣発足に伴う副大臣・政務官人事を決定し、文部科学副大臣に武部新衆院議員、財務副大臣に斎藤洋明衆院議員を充てた。武部、斎藤両氏の前任は、閣僚に就任した阿部俊子(文科相)、赤沢亮正(経済再生担当相)両氏。自民から任命されている副大臣・政務官48人のうち交代したのはこの2人の副大臣のみで、ほかは再任。新内閣もふたを開けてみれば女性閣僚は2人。国民から期待されていた“刷新感”とは程遠い人事が続いている。
 石破茂首相は9日に衆院を解散する方針。“ほぼ再任”の人事の背景には、現行憲法下で最短の就任8日後の衆院解散で時間的な制約が生まれたことと、27日投開票の衆院選前に新たな失言やスキャンダルのリスクを回避する狙いもあるとみられる。政治評論家の伊藤惇夫氏は「(裏金事件で)安倍派からも起用できないので選択肢が狭まった」と指摘。「早期解散を最優先にしたことで、人事も含め、石破氏らしさがどんどん消えている」とした。

 衆院選の最大のテーマでもある「裏金議員」の公認問題もなし崩し的な対応になりそうだ。非公認、小選挙区で公認はするが比例区での重複立候補は認めない、支給する公認料(選挙活動資金)の減額などのペナルティー案が現時点で挙がっている。石破氏は総裁選出馬表明で「公認するにふさわしいかの議論は徹底的に行われるべきだ」と非公認も辞さない姿勢を見せたが、その後トーンダウン。伊藤氏は「非公認にするのは難しいだろう。石破首相にとっては、比例重複を外せるかどうかだ。ただ有権者は非公認にできるかどうかを見ている」とした。

 総裁選では選択的夫婦別姓の導入に前向きだったが、総裁に選出後に公明党と交わした連立政権合意文書にはその項目はなかった。「選挙を乗り切れば政権も安定し軌道に乗る、やりたいことはそれ以降に、と考えているのではないか」と伊藤氏。総裁選で訴えた日米地位協定の改定については「大統領が誰になるかにもよるが、米国は前向きではない。政権安定後に手をつけることに期待したいが、実現できれば歴史に名を残す政権になる」とその難しさを指摘。石破氏は金融所得課税の強化についても軌道修正した。“ブレっぷり”に有権者は困惑するばかり。投票行動に大きく影響する可能性も否定できない。

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