高市早苗氏、厳戒態勢の奈良・大和西大寺駅前で演説 安倍元首相銃撃事件現場から30メートル

2024年10月20日 15:53

社会

高市早苗氏、厳戒態勢の奈良・大和西大寺駅前で演説 安倍元首相銃撃事件現場から30メートル
<高市早苗氏応援演説>力強く演説する高市氏(撮影・岸 良祐) Photo By スポニチ
 自民党の高市早苗前経済安全保障担当相は20日、奈良1区から立候補した小林茂樹候補の応援のため、奈良市の近鉄・大和西大寺駅前で演説。約1200人の聴衆が集まった。
 黒塗りの車でSP5人に囲まれて登場した高市氏。「高市さ~ん」との声援に手を振り笑顔で応えた。演説した駅北口のロータリーは22年7月8日、安倍晋三元首相が参院選に出馬した自民党・佐藤啓候補の応援演説中、凶弾に倒れた場所の南側。安倍元首相の“後継者”と呼ばれ、今回の総裁選の最後まで残った高石氏の来訪に、現場は2時間前から騒然とした空気に包まれていた。

 演説は安倍元首相が襲撃された地点から南へ30メートルの、バス停留場が3カ所あるロータリーの中央付近で行われた。小林候補の事務所代表は「いつも演説してる場所です」と説明した。高さ50センチの鉄製台を高さ1メートルの防御板で囲んで作られた演説台が設置された。街宣車で演説者後方を守り、報道陣、聴衆と約20メートルの距離がおかれた。報道陣や聴衆が演説会場に入る際には身体検査、荷物検査が行われた。

 演説開始2時間前から制服50人、私服、鉄板入り黒カバンを持ったSPら計100人の警察官が集結し、現場周辺を警戒。ロータリー付近は10メートル間隔で制服警官が立った。また、安倍元首相が銃撃された場所の前にある7階建て複合商業施設の屋上から警官が周囲を監視し、屋上内を歩き回った。駅南側にあるマンション屋上にも警官を配置した。7月の米・トランプ前大統領銃撃事件や、前日19日に都内で自民党本部、首相官邸に火炎瓶が投げ込まれるなど、要人警備体制の甘さが問題視される中、奈良県警は威信をかけて厳戒態勢を敷いた。

 高市氏は25分の滞在で15分間、応援演説。「何をやらなアカンのか」など関西弁を交えながら経済成長の必要性を訴え、外交、防衛など「道を誤まらないように」と自民党への投票を呼びかけた。演説中には「安心な国土を、安全な国土を作りましょう」と呼びかけるシーンも。安倍元首相への思いをめぐらせていたのか。

 前日は茨城県日立市で応援演説。21日は東北地方を回る高市氏。全国130カ所から応援演説を依頼される人気者だ。車に乗り込む際に「裏金議員は帰れ~」との罵声も飛んだが、演説は何事も起こらず終了。帰りの車はロータリーを出る際、狙撃現場の真ん前で30秒間信号待ち。続く演説場所である生駒、大和郡山市へ向かった。小林候補の事務所関係者は「何事もなく無事に終わってよかった」と胸をなで下ろしていた。21日にはJR奈良駅西口で石破茂首相が応援演説する予定。さらなる厳戒態勢が予想される。

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