16歳コンビの笹田&寺本は2位!五輪懸けて最終日へ

2012年05月05日 06:00

体操

16歳コンビの笹田&寺本は2位!五輪懸けて最終日へ
段違い平行棒で華麗な演技を見せる笹田
体操NHK杯第1日
(5月4日 東京・国立代々木競技場)
 ロンドン五輪代表の最終選考会を兼ねて行われ、女子では80年モスクワ五輪代表の旧姓加納弥生さん(49)を母に持つ笹田夏実(帝京高)と、寺本明日香(レジックスポーツ)の仲良し16歳コンビが、全日本選手権(4月)の持ち点と合わせて合計162・050点でともに2位をキープ。夢切符をかけて5日の最終日に挑む。

 最終種目の床運動を終えると、緊張感たっぷりだった2人の表情がようやく和らいだ。16歳の笹田と寺本が仲良く、合計162・050点で五輪争いで2位に。「かなりホッとしています。段違い平行棒は納得いかないけど、それ以外はまあまあかな」と笹田は振り返った。

 笹田にとって五輪は特別な舞台だ。母の弥生さんは、ボイコットで出場を阻まれた80年モスクワ五輪の代表。「なんで出られなかったのか、今思うと悔しい」という母の言葉が忘れられなかった。「お母さんを五輪に連れて行く」――。1月には因縁の地・モスクワで合宿し、表現力を磨いてきた。

 今大会前には左足甲を痛め、平均台の練習では何度も落下するなど絶不調。それでも、母の「頭がフラフラしているから気をつけて」というアドバイスを胸に同種目4位の13・600点でまとめた。全日本5位から2位に浮上だ。

 昨年の世界選手権代表・寺本も、親友の奮闘に燃えた。小学5年で笹田と出会って以来、同い年ということもあり、遠征や合宿で自然と仲は深まった。「絶対に(笹田と)一緒に五輪に行きたい」。演技が途中で止まる大きなミスがあった段違い平行棒の後、笹田に「絶対できるから大丈夫」と励まされた。これまで何度も笹田と試合で対戦してきたが、同点は初めてという。「(同点は)めっちゃうれしいです!」と笑みを浮かべた寺本は全日本の2位をキープした。

 用意された代表枠は5。逆転を狙う6位の鶴見とは1・250点差で、運命の最終日を迎える。笹田が「大きな演技ができるようにしたい。五輪は凄く近くなったと思う」と言えば、「伸び伸びと怖いもの知らずの演技をしたい」と寺本も気合十分。初の夢舞台に向かって、16歳コンビがかれんに舞う。

  ▽女子の五輪代表選考 枠は5。選考対象は4月の全日本選手権の2日間とNHK杯の2日間。計4日間の得点の合計で5位までが代表に選ばれる。

 ◆笹田 夏実(ささだ・なつみ)1995年(平7)8月31日、東京都世田谷区生まれの16歳。母・弥生さんの勤める体操クラブで小学1年で競技開始。08年全日本ジュニア優勝。10年ユース五輪個人総合で4位。帝京高2年。1メートル50、41キロ。

 ◆寺本 明日香(てらもと・あすか)1995年(平7)11月19日、愛知県小牧市生まれの16歳。小学1年で体操を始め、10年アジアジュニアで団体優勝に貢献。11年世界選手権は団体5位、段違い平行棒5位。名経大市邨高2年。1メートル40、32キロ。

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