朝比奈「世代交代」宣言通り新女王 柔道界の沙羅ちゃん快進撃

2017年04月17日 05:48

柔道

朝比奈「世代交代」宣言通り新女王 柔道界の沙羅ちゃん快進撃
優勝し父・輝哉さんと笑顔で握手を交わす朝比奈(右) Photo By スポニチ
 【柔道 全日本女子選手権 ( 2017年4月16日    横浜文化体育館 )】 今夏の世界選手権(ブダペスト)78キロ超級の最終選考会を兼ねて行われ、朝比奈沙羅(20=東海大)が決勝で田知本愛(28=ALSOK)を破って初優勝し、初の世界代表入りを決めた。第1シードで臨んだ1日の全日本選抜体重別選手権(福岡)は1回戦負け。優勝を逃せば代表を逃す可能性がある重圧の中、全5戦で試合内容も充実。20年東京五輪金メダル獲得を公言する“柔道界の沙羅ちゃん”の快進撃が始まった。
 汗と涙で視界がゆがんでから2週間。朝比奈の目には光り輝く皇后杯が映り、TOKYOへの道が広がった。「世代交代」の大会と位置づけ、公言通りの日本一。「気持ち新たにタイトルを獲るぞ、代表になるぞと思って臨んだ。そうなったのでうれしい」と声を弾ませた。

 昨年の講道館杯とグランドスラム(GS)東京、今年2月のGSパリと主要大会を総なめにし、破竹の勢いで臨んだ全日本選抜は第1シードで1回戦負け。「勝ちたい、ではなく負けたくない」という姿勢で消極的になったと反省し、この2週間は原点に返った。挑戦者であることを自覚し、技の引き出しを増やす練習も封印。初戦から2試合は得意の払い腰、内股で一本勝ちした。

 4回戦では全日本選抜で敗れた山本沙羅と再戦。両者けん制し合って試合中盤に早くも2つ目の指導が飛んだが、その後は攻めだるまとなった。長身の山本の切れのある投げを何度もしのぎ、大内返しでゴールデンスコアとなる有効を奪ったのは11分45秒。準決勝までの4試合中3試合が延長戦でスタミナを消耗しながらも、驚異的な回復力で決勝は残り20秒で払い巻き込みで有効。「結構ふらふらしていたけど、ここまで来たら気持ちなので」と胸を張った。

 順大病院の麻酔科医師である父・輝哉さん(49)の「柔道が全てではない」という教育方針の下、将来は父と同じ道を歩む目標も追う。大学では語学を重点的に学び、就寝前には毎日1時間机に向かうのが習慣だ。同時に初段を持っていた輝哉さんも朝比奈が小2で講道館にある春日クラブで柔道を始めたのと同時に再開し、現在は4段の腕前。父娘二人三脚の初頂点に「喜んでくれたと思う」と話した。

 女子代表の増地克之監督が「技の多様性を求めたい」と注文を付けたように、成長の余地は無限大。世代交代を果たした新女王は、さらにスケールアップしていく。

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