平昌五輪のアイスホッケー男子でロシアが紳士協定違反?米国の指揮官が激怒
2018年02月21日 10:41
アイスホッケー
NBAでも試合終了間際に点差が開いてしまうと、意味のないシュートで得点を稼いではいけない。負けている方が先に主力選手をベンチに下げれば、勝っている方も主力を下げるのがエチケットだ。
さて、ではこの感覚が世界共通かと思ったらどうもそうではなかった。
平昌五輪のアイスホッケー男子では米国のトニ―・グラナート監督(53)が激怒。17日に行われた予選リーグのロシア戦(正式代表名はOAR)での出来事だった。
そもそも今大会では、これまで五輪に選手を派遣していた北米プロ・アイスホッケー・リーグ(NHL)が協力を拒否。なので各国はNHL以外のリーグに所属している選手で代表チームを編成している。米国にも4人の大学生選手が代表入り。対戦したロシアの主力も「元NHL」という肩書きの選手たち(計9人)だった。
試合はロシアが4―0で快勝。米国的観点から問題になったのは、第3Pの残り2分7秒からのロシアの対応だった。
米国はDFのマット・ギロリー(33)がペナルティーを宣告され、1人少ない状態となっていた。ロシアにとってはいわゆるパワープレー。しかし、4点もリードしてかつ残り時間もわずかしかなかったので、パックを回して試合終了のブザーを待てばよかったはずだ。
ところが、現役時代にNHLの経験がないロシアのオレグ・ズナロク監督(55)はこの試合ですでに2ゴールを挙げ、かつてNHLのデビルスなどでもプレー経験があるFWイリヤ・コワルチャク(34)を含む最強セットを投入してさらにゴールを奪いにかかった。グラナート監督にしてみれば、すでにダウンしている状態でパンチを見舞われた格好。「あんなやり方は好きではない」と、試合後はズナロク監督との握手を拒否してリンクから立ち去った。
この試合、実は米司法省が大統領選に不当介入したとしてロシア国籍の13人とロシア企業の3社を起訴したというニュースが流れた後にスタート。ズナロク監督に政治的思惑があったのかどうかは不明だが、負けた米国側にとっては後味の悪い試合となった。
握手をしなかった米国とロシア(OAR)の指揮官。“冷戦時代”は終わったと思っていたが、冬季五輪ではどうもそうでなはいようだ。
アイスホッケー男子の決勝は最終日の25日。さて、世界のトップ選手が参加しなかった平昌五輪で最後に笑うのはどのチームになるのだろう?ぎくしゃくした原稿は書きたくないので、スカッとした幕切れを願っている。(専門委員)
◆高柳 昌弥(たかやなぎ・まさや)1958年、北九州市小倉北区出身。上智大卒。ゴルフ、プロ野球、五輪、NFL、NBAなどを担当。スーパーボウルや、マイケル・ジョーダン全盛時のNBAファイナルなどを取材。50歳以上のシニア・バスケの全国大会に7年連続で出場。
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