田代 悔し楽し銀、女子63キロ級 尊敬する女王から健闘称賛

2018年09月24日 05:30

柔道

田代 悔し楽し銀、女子63キロ級 尊敬する女王から健闘称賛
柔道世界選手権女子63キロ級決勝でアグベニェヌ(左)に敗れ、健闘をたたえられる田代 Photo By 共同
 【柔道 世界選手権第4日 ( 2018年9月23日    アゼルバイジャン・バクー )】 女子63キロ級で16年リオ五輪5位の田代未来(24=コマツ)は決勝で前年覇者のアグベニェヌ(フランス)に敗れ、銀メダルだった。14、15年大会は連続銅メダルにとどまり、3度目の正直で頂点をうかがったが、あと一歩及ばなかった。また、男子81キロ級で初出場の藤原崇太郎(20=日体大)も決勝でモラエイ(イラン)に敗れて準優勝。日本勢の初日からの連続金メダルは3日で止まったが、ここまでの男女8階級で全10選手が表彰台に立っている。
 過去の対戦成績は団体戦も含めて1勝7敗。大きな壁に挑んだが、再びはね返された。だが一礼してから握手をかわすと、アグベニェヌから「五輪の決勝で戦いましょう」と言葉を掛けられた。最大のライバル。しかし尊敬する選手に認められた証拠だ。「この舞台(決勝)でやっとできるなと思った。もっと強くなって挑戦したい」と笑顔が広がった。

 12年12月のグランドスラム(GS)東京大会の初対戦から6連敗。16年リオ五輪準決勝でも敗れ、ショックを引きずり臨んだ3位決定戦も敗れた。昨年12月のワールドマスターズで、8分を超える死闘の末に大内刈り一本が決まって初勝利。この日は右手で相手の釣り手を殺し続けて主導権を握ったが、一瞬離れた隙を突かれて払い巻き込みに屈した。「最後に甘さが出た。チャンスはあったが、ものにできないのは弱さ」と素直に認めた。

 リオ五輪後に古傷の左手首を手術。休養を含めて最前線から一定期間距離を置き、「心に余裕を持てるようになった」という。過去2度の世界選手権、リオ五輪は本番2、3カ月前に前哨戦となる大会に出場していたが、「どの大会もピークに持っていけてなかった」と今回はあえて回避。代わりに国内外の合宿でじっくり調整。準決勝ではリオ五輪女王のトルステニャク(スロベニア)を一蹴するなど、自ら選択した道に間違いはなかった。

 負けても笑顔だったのは、精神的にも強くなった証拠。しかし最後は「もっと強くなれると思った。まだやることはたくさんある」と話し、とめどなく涙した。高く厚い壁を乗り越え、次こそはうれし涙を流してみせる。

 ◆田代 未来(たしろ・みく)1994年(平6)4月7日生まれ、東京都出身の24歳。小2で柔道を始め、神奈川・相原中―東京・淑徳高。高1だった10年にユース五輪と世界ジュニア選手権を制覇。14、15年世界選手権3位を経て、16年リオ五輪は5位。五輪後に左手首の手術を受け、昨年は12月のグランドスラム東京大会とワールドマスターズに優勝した。コマツ所属。1メートル63。得意技は内股。

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