車いすテニス 16歳福田隼也、初の海外試合 28年ロス五輪へ「8年後、絶対にここでプレーしたい」

2020年01月31日 11:30

テニス

車いすテニス 16歳福田隼也、初の海外試合 28年ロス五輪へ「8年後、絶対にここでプレーしたい」
競泳の五輪金メダリストのジャネット・エバンスさん(中央)と車いすテニスグローバルチャレンジに参加した選手たち。前列左から2人目が福田隼也 Photo By スポニチ
 第3回車いすテニスグローバルチャレンジが25日から2日間、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校で開催された。
 主催はNPO法人のB―Adaptive Foundation(BAF)。日本、米国、カナダの3カ国から高校・大学レベルの選手が集まり、シングルス、ダブルスの親善試合を行った。

 前橋西高校2年生の福田隼也(16)は、日本車いすテニス協会の強化指定選手。小学校の高学年でプレーし始め、初の海外試合だった。

 「世界で戦っていくには早い段階でこっちの選手と試合ができて凄く良かったなと思います。こっちはガタイが大きい人が多い。球のスピードであったり、車いすの速さで負けている選手がいた。逆に、今の自分の実力でも通用する相手がいるのも確認できた。今までやってきた練習に意味があったと思えた」

 群馬県内の車いすテニスができるクラブを拠点とし、高校のテニス部にも所属している。

 「(高校の)メニューは健常者と同じだけど、それでもついてこられるなら歓迎しますよと言ってもらえた。健常者の方が圧倒的に打つ球は速いので、自分的にも良い練習環境にあると思います」

 今回の滞在は21日から27日までの1週間だったが、福田にとって忘れられない出来事は、2028年ロサンゼルス五輪の組織委員会に招待され、ソウル五輪、バルセロナ五輪の競泳で4つの金メダルを獲得したジャネット・エバンスさんから激励を受けたことだ。

 エバンスさんは組織委員会のチーフアスリートオフィサー(選手役員代表)。「(障害児のスポーツ活動を支援する)BAFの活動が面白いと思うし、アスリートを応援したいのでぜひ来てください。私たちの準備の状況も見せたいので」と誘いを受けていた。

 福田は「組織委員会という凄いところに行って、ロサンゼルス五輪のPR用ビデオを見させてもらいました。もっと練習して、8年後、絶対にここでプレーしたいなという気持ちが凄く湧いた。レベルを上げていきたい」と目を輝かせた。

 グローバルチャレンジには、米国パラリンピック代表チームのジェイソン・ハーネットヘッドコーチ(47)も参加した。「今回連れてきたのは未来の選手。このような草の根のイベントはとても重要です。車いすテニスは米西海岸で生まれ、92年からパラリンピックの正式種目になりましたが、大会ごとに世界のレベルが上がっている。東京パラリンピックは、米国にとって厳しい戦いになりますが、競技自体にとっては良い傾向。日本の国枝慎吾、上地結衣は世界が誇る素晴らしいプレーヤーです」と話した。

 今回のイベントでは初めて、健常者が車いすの選手とペアを組む「1UP 1DOWN(一人が立って、一人が座る)」の試合も組まれた。「去年10月、東京でロジャー・フェデラーと国枝がペアを組み、満員のアリーナが盛り上がりました。こういう形で親睦を深められるのも、テニスならではの魅力」とハーネット・コーチ。

 BAFの星野太志代表(41)は「今年、東京パラリンピックは大きな注目を集めますが、その先につなげるにはどうしたら良いのかと、17年にこの活動を始めました。一過性であってはならない。東京で作られるモメンタムを、米国に住む日本人として引き継いでいきたい」。エバンスさんの応援も得て、活動は軌道に乗っている。

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