【松山英樹、単独インタビュー】今年の抱負「勝つこと以外ない」ダル、一二三から刺激
2021年01月02日 08:30
ゴルフ
「僕以上にいろんな人が大変だったのでないかなと思います。その中でもPGA(米)ツアーでは試合をすることができて。そこは凄く良かったなと」
――21試合を戦いましたが成績の評価は?
「う~ん…、微妙ですね。良い試合もありましたけど優勝争いに絡んだのが2試合くらいしかなかった。凄く悔しいなと思います。成績に関しても微妙ですし、特段何が良かったっていうわけでもない。本当に何の代わり映えもない一年でした」
――それでも、マスターズは第2日を終えて1打差6位。全米オープンも第3日を終えて5打差の4位とメジャーで優勝戦線に加わった印象が強いです。
「ただ、結果的に今年のメジャー3試合でトップ10に入ったのは1個もない。全米女子オープンを見ましたけど、渋野(日向子)さんは3日目にトップ。最終日は良くなかったと思いますけど、その中でも優勝を争える位置で終わっている。そういうのを見ていると、今の自分の力ってあ~こんな程度なんだなって。そこをね、どれだけ優勝に近いところでプレーできるかだと思うんです」
――今年に向けては。
「勝つこと以外、ないです」
――そのためにはどのようなテーマで強化をしていきますか?
「うまくいき始めてる部分とそうでない部分がはっきりしている。そこ(の見極め)が優勝するために必要な部分と思う」
――具体的には。
「ティーショットとパッティングはここ4、5年の課題なので。そこをどうするかだと思います。そのためにはアイアンショットとのつながりも必要。パターからドライバーまでを、しっかりとつなげられるようにしていけたら優勝も見えてくる」
――パットに関して教えてください。
「少し良くなったという試合が1試合でもあったことが良かった。プレーヤーズ選手権の初日。19年を含めて良かったと思える試合がほとんどなかったので」
――2位だったヒューストン・オープン最終日では16、17番で5メートル前後のバーディーパットを沈めガッツポーズが飛び出しました。
「まだ、自分でもこういったプレッシャーがかかる場面で打てる力があるんだって思いました。もっとこういう場所で戦って、こういうプレーをすることが大事だと」
――ブライソン・デシャンボーが全米オープンを制してからパワーゲームが話題です。
「年々飛ばし屋は増えています。その中で自分の位置は真ん中ぐらい。いかに上位に食い込めるかが大事。精度という意味でも、真ん中か中より下。飛距離と精度は本当に上げていかないと」
――松山選手はストイックで毎日クラブを握っているイメージですが、オフはどういう過ごし方を?
「オフなので握らない日もありますよ。握らずに、リフレッシュすることも大事かなと。同じ動きをすればするほど、ダメになるときもあるっていうのを見たので」
――何を見たんですか?
「(パドレスの)ダルビッシュ(有)さんのYouTubeを見て、ピッチングの時とキャッチボールの時のフォームを変えていると。そういうの聞いたりすると、自分のゴルフに対しても当てはまってくるのかな、とか考えますね」
――今夏には延期されていた東京五輪が予定されています。
「ゴルフの代表が決まるのは5、6月ぐらい。そこまでは優勝することを考えてやって、成績が出ていれば選ばれるのかなと」
――以前から松山選手はレギュラーツアーで活躍することで、自然と代表に選ばれるというスタンスでした。
「それ正直な気持ちかなと思いながらも、この前に柔道(阿部一二三―丸山城志郎の男子66キロ級代表決定戦)を見ていたら、ああいう気持ちがね。試合の特集を見ても、2人がそんなに懸けている五輪は凄いんだろうな、と。こういう思いって確かにしたことない。そういうの見ると、凄い格好良いなと思います。ああいう気持ちになるためにも選ばれないといけないし、オリンピックを経験しないといけない。金メダルを目指して、やりたいなと思っています」
◆松山 英樹(まつやま・ひでき)1992年(平4)2月25日生まれ、松山市出身の28歳。4歳でゴルフを始め、高知・明徳義塾高から東北福祉大へ進学。11年に初出場したマスターズで27位に入り、日本人初のローアマチュアに輝いた。11年三井住友VISA太平洋マスターズで史上3人目となるアマチュアでのツアー優勝を果たし13年にプロ転向。14年から米ツアーを主戦場とし、メモリアル・トーナメントで初優勝するなど同ツアー5勝、日本ツアー8勝。1メートル81、91キロ。
▽東京五輪男子ゴルフ競技出場資格 18年7月1日から21年6月21日時点までの3年間で算出する世界ランキングに基づいた五輪ランキングで決定される。上位60人が出場資格を獲得。15位以内であれば各国最大4人までが出場可能だが16位以降は15位以内の有資格者も含めて各国最大2人を上限としている。
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