3冠狙うハッサン 挑戦こそが人生の金メダル

2021年08月03日 00:48

陸上

3冠狙うハッサン 挑戦こそが人生の金メダル
女子5000メートルで優勝したオランダのハッサン(AP) Photo By AP
 【東京五輪第11日 陸上 女子5000メートル決勝 ( 2021年8月2日    国立競技場 )】 1500メートル、1万メートルと合わせ、史上初の3冠を狙うシファン・ハッサン(28=オランダ)が、14分36秒79でまず1冠目の金メダルを獲得。「厳しいレースだったが、何とかトップでフィニッシュできた。一番強かったというよりは、一番ラッキーだった。金メダルが獲れて良かった。本当にドラマのようだった」とレースを振り返った。
 実は5000メートル決勝の12時間前には、1500メートルの予選2組に出場。残り1周を迎えたところで前を走っていた選手に巻き込まれて転倒するアクシデントに見舞われた。先頭に約30メートル離されたハッサンだが、すぐに立ち上がると驚異の追い上げを見せ、結局2組1位で決勝に駒を進めた。

 2日深夜に行われたメダリスト会見でも、5000メートル決勝よりも1500メートル予選に関する質問が集中。転んだシーンについては「悪夢のようだった。かなりエネルギーを使ってしまい、一度選手村に戻った。疲れが取れなかったが、(5000メートル決勝は)自分ならやれると言い聞かせた」という。

 求められる資質が異なり、過密日程の中で3種目に出場することは、“二兎を追う者は一兎も得ず”の結果になる可能性があった。それでも「誰かに3種目に出ることを反対されたか?」との問いには、「そんな人はいない」と強調。「クレイジーと言う人はいるかも知れないし、負けることもある。多くの人はやらないと思う。ただ、私はどんなメダルになろうと、3種目に出たいと思っている。人生は金メダルを獲るとか、勝つことが全てではない。やりたいことをやるだけ」と力強く言い切った。

 転びながら驚異的な追い上げで1着フィニッシュし、日本のファンの度肝を抜いたハッサン。6日の1500メートル決勝、7日の1万メートル決勝はますます注目が集まりそうだ。

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