【北京五輪プレーバック】羽生結弦 まさか氷の穴に「嫌われることしたかなぁ。氷に嫌われちゃったな」

2022年02月20日 19:30

五輪

【北京五輪プレーバック】羽生結弦 まさか氷の穴に「嫌われることしたかなぁ。氷に嫌われちゃったな」
<北京五輪・フィギュアスケート>男子SP、ジャンプを失敗した場所の氷を触る羽生結弦(撮影・小海途 良幹) Photo By スポニチ
 【選手の談話で振り返る激闘の19日間 】 北京冬季五輪は20日、北京市の国家体育場(通称「鳥の巣」)で閉会式を行い、19日間の全日程を終える。日本は金メダル3個を含む18個のメダルを獲得。大会中は選手の戦う姿勢に胸を打たれる場面が数多くあった。そんな心に残った五輪の名場面を、選手の談話をもとに振り返ってみる。
 フィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)は、ある意味で事件だった。94年ぶり3連覇を狙う羽生結弦(27=ANA)が、95.15点で8位スタート。冒頭の4回転サルコーの回転が抜けるミスで0点となり、SP1位だった過去2大会に続く好発進とはならず、結果、メダルを逃す要因となった。

 演技後の羽生は、悔しそうにミスの出たジャンプの踏み切り位置をのぞき込んだ。諦めがつかず、4方向へ礼をした後にもう一度、確認。「まじか」「はまった」とつぶやいた。予定していた4回転サルコーは、踏み切った後、体の回転をほどき、まさかの1回転。「完璧なフォームで完璧なタイミングでいったら、トージャンプの穴だった。頭が体のことを防衛してしまった」。そして、「嫌われることしたかなぁ。氷に嫌われちゃったな」と首をかしげた。確率的にはほとんどない珍事。不運を嘆くしなかった。

 10日に行われたフリーでは、世界初の成功を目指すクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)で転倒。回転不足の判定だったが、国際スケート連盟(ISU)公認大会で初の認定となった。「全部出し切った。もうちょっとだったなとかって思う気持ちもあるんですけど。でも、あれが僕の全てかな」。最終順位は4位となったが、見る者に感動を呼ぶ挑戦でもあった。

 ▽クワッドアクセル(4回転半) 6種類の4回転の中で唯一、成功者がいないジャンプ。国際スケート連盟が定める基礎点は最高の12.50点で、ルール改正により17~18年シーズンまでの15.00点から下がったが、ルッツの11.50点より1点高い。左足で前向きに踏み切るため、後ろ向きで踏み切る他のジャンプより半回転多い。羽生は昨年12月の全日本選手権のフリーで初めて試合で挑み、両足着氷で成功はならなかった。

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