水戸龍“1人部屋”から新入幕 同時来日の照ノ富士、逸ノ城活躍にも「悔しいと思ったことない」マイペース

2022年08月30日 05:30

相撲

水戸龍“1人部屋”から新入幕 同時来日の照ノ富士、逸ノ城活躍にも「悔しいと思ったことない」マイペース
新入幕を果たし、番付を手にする水戸龍(左)と師匠の錦戸親方(日本相撲協会提供) Photo By 提供写真
 日本相撲協会は29日、大相撲秋場所(9月11日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表し、水戸龍と平戸海の新入幕が決まった。モンゴル出身の水戸龍の所属する錦戸部屋は現在、力士が1人だけという珍しい小所帯。元水戸泉の親方が部屋を創設して20年で、初めての幕内力士誕生となった。名古屋場所で初優勝した逸ノ城は5場所ぶりの小結復帰。豊昇龍は新関脇に昇進した。
 稽古相手不在の“1人部屋”から、なんと幕内力士が誕生した。元十両・極芯道が引退した夏場所以降、錦戸部屋の所属力士は水戸龍だけ。コロナ禍で出稽古も制限される中で「同じことを何回もやっています」と基礎運動の繰り返しに力を入れた。強くなった実感は「考えたことない」と本人も不思議がる成長が、そこにあった。

 日大時代に学生横綱など数々のタイトルを獲得。幕下15枚目格付け出しデビューからわずか4場所で新十両に昇進したが、そこから幕内まで、実に4年半。「自分のペースでやり過ぎました。遅くてすいませんでした」と反省した。会見に同席した師匠の錦戸親方は「大きな体を使い切れていない歯がゆさがあった。うれしい半面、やっと上がってくれたなという気持ち」と感慨深く語った。

 無欲にもほどがある。名古屋場所で初優勝した逸ノ城、横綱・照ノ富士はともにモンゴルから同じ飛行機で来日し、そろって鳥取城北高に相撲留学した仲だ。2人が活躍する姿を見ても「悔しいとは思ったことない」とあくまでマイペース。これには師匠も苦笑いするしかなかった。

 力士1人の部屋だけでも珍しいが、その1人が幕内力士となれば、歴史的に見てもレアケースというのが日本相撲協会の見解だ。与えられた環境で花を咲かせようとしている28歳は「やっと同じ土俵に立てる。対戦できる地位に上がれるように頑張ります」と、2人の盟友との土俵上での再会を少しだけ?夢見ていた。

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