鬼門階級で代表2人が3回戦敗退の悪夢 増地監督「想像もしていなかった」柔道世界選手権

2023年05月11日 00:11

柔道

鬼門階級で代表2人が3回戦敗退の悪夢 増地監督「想像もしていなかった」柔道世界選手権
女子63キロ級3回戦で一本負けし、一礼して引き揚げる堀川恵=ドーハ(共同) Photo By 共同
 【柔道世界選手権第4日 ( 2023年5月10日    カタール・ドーハ )】 女子63キロ級で、昨年優勝の堀川恵(パーク24)、五輪2大会連続代表で4年ぶり出場の高市未来(コマツ)が、そろって3回戦敗退を喫した。世界選手権で各国に与えられている出場枠は7階級で最大9人。2人代表の階級は金メダル獲得が至上命令だったが、まさかのメダルなしに女子日本代表の増地克之監督も「まさか2人とも早期敗退するとは想像もしていなかった」とショックを隠しきれない様子だった。
 連覇を目指した堀川は、ワールドツアーで一度も優勝がないメキシコ選手と対戦。本戦4分間で仕留めきれずに延長戦に突入すると、同1分過ぎ、不意の膝車に体を浮かされ、技ありを奪われ敗戦。ディフェンディングチャンピオンを示す赤ゼッケンをわずか7カ月で手放すことになり、「実力を出し切れなかった。勝ち続ける難しさが改めて分かった」と涙声で語った。

 一方、東京五輪後に左膝手術を受け、復帰した昨年は国内外の3大会優勝と復活を遂げた高市も、長身のオランダ選手に「思い切り行った」という得意の内股を透かされて技ありを奪われると、取り返せずに優勢負け。「技術不足。これでは話にならない。チャレンジャー精神でいこうと思って闘ったが、情けない」と表情を失った。

 混とんとしてきたパリ五輪代表争いだが、増地監督は「わずかに堀川が1番手だが、高市と横並びに近い」と語った。階級によっては今年6月にも五輪代表が決まるが、全日本柔道連盟の強化委員会では、遅くても年内に全階級の代表を決める方針を示している。リミットまで残り7カ月。2人は心身の疲れを癒やす時間もなく、12月のグランドスラム東京大会まで代表争いを続けることになる。

 同階級は五輪でも女子7階級で2大会連続でメダルのない唯一の階級。増地監督が就任後初めて迎えた17年の世界選手権では、有望選手がおらずに代表派遣を見送った。強化や若手の発掘が急務だったが、堀川が台頭し、高市も復活して迎えたパリ五輪前年の今大会。期待された金メダルはおろか、メダルに遠く及ばない早期敗退の共倒れとなり、再び大きな課題を突きつけられた。

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