加藤未唯が混合ダブルス決勝進出 女子ダブルスは不可解な失格も4大大会初優勝王手

2023年06月08日 05:30

テニス

加藤未唯が混合ダブルス決勝進出 女子ダブルスは不可解な失格も4大大会初優勝王手
女子ダブルスの失格を乗り越え、混合ダブルスで全仏初優勝した加藤未唯(左)とパートナーのティム・プッツ。 Photo By 共同
 【テニス全仏オープン第11日 ( 2023年6月7日    パリ・ローランギャロス )】 混合ダブルス準決勝で加藤未唯(28=ザイマックス)ティム・プッツ(35=ドイツ)組が、アルディラ・スーチャディ(28=インドネシア)マトウェ・ミドルコープ(39=オランダ)組に7―5、6―0で快勝した。加藤は女子ダブルス3回戦の不可解な失格が波紋を広げる中、4大大会初優勝に王手。この種目の日本人の決勝進出はオランダ選手と組んで昨年大会を制した柴原瑛菜(25=橋本総業)に続く2年連続となった。車いすの部は男子シングルス準々決勝で第2シードの小田凱人(17=東海理化)が勝利した。
 特別な抱擁だった。鮮やかなボレーで勝負を決めると、加藤はネットを挟んで対戦相手のスーチャディと健闘を称え合った。女子ダブルスでペアを組み、ともに不可解な失格を経験した相方。迷惑をかけたとの思いも強い。最後は会場からの拍手に笑顔で応じ「準々決勝に比べたら気持ちは入っていた。対戦相手が(女子ダブルスの)パートナーで、お互いにいい試合をしようと声をかけ合って、それも助けになった」と実感を込めた。

 第1セット、第1ゲームでブレークに成功して流れをつかんだ。第2セットは1ゲームも落とさずに、試合時間57分で快勝。加藤は鋭いスマッシュやリターンなど精度の高いプレーを見せた。問題の試合は3日前。第2セット途中、ポイント間に相手コート側に送った球がボールガールを直撃した。加藤は強い球を当てていないとの認識で、準々決勝後の会見はショックを引きずり涙して中座。失格を不服として4大大会側に提訴し、他選手からも失格を疑問視する声が相次いでいる。

 主審がいったん出した警告に抗議したことで批判を受けた対戦相手は反論している。一方でテニスのプロ選手協会は「不当な判定」と加藤擁護の声明を発表。剥奪された賞金とランキングポイントの扱いについても「最低でも賞金とポイントは戻すべき」とした。加藤は「まだ試合を純粋に楽しめていないので、決勝くらいは楽しみたい」と自然体で意気込んだ。昨年の柴原に続く2年連続の日本選手としての頂点まであと1勝。騒動の幕引きが見えない中、8日に決勝を迎える。

 《17歳小田が4強》
 車いすの部男子シングルスで4大大会史上最年少優勝を狙う第2シードの小田は世界5位の23歳スパールハレン(オランダ)に苦戦を強いられた。13度握ったブレークポイントでブレーク成功は8度。逆に8度握られたブレークポイントで7度のブレークを許した。勝負どころでプレーの精度を欠いたが、最後は地力の差を見せて2年連続の4強。「試合を重ねていく中で、成長できると思う」と徐々にギアを上げていく。

 ◆全仏オープンテニスはWOWOWで全日生放送。日本人選手の試合はWOWOWオンデマンドで全試合ライブ配信

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