明瀬山引退会見「目いっぱいやった」名古屋場所前に決断 力士生活15年半の原動力は「ちゃんこ」

2023年08月10日 17:09

相撲

明瀬山引退会見「目いっぱいやった」名古屋場所前に決断 力士生活15年半の原動力は「ちゃんこ」
引退会見で笑顔を見せる明瀬山(左)と師匠の木瀬親方(撮影・前川 晋作) Photo By スポニチ
 大相撲の元幕内・明瀬山(38=木瀬部屋)が10日、現役引退を発表し、東京・両国国技館で会見を行った。
 関取在位42場所、15年半の現役生活を勤め上げた明瀬山は「目いっぱいやったので本当に悔いとかはありません」とやり切った充実感をにじませた。涙を流すことはなく終始明るい表情。「想像以上でしたね。38歳までやれるとは思っていなかったので」とここまでの相撲人生を振り返った。

 引退を決断したのは今年の夏場所後。西幕下7枚目で2勝5敗と負け越し「調子よかったけど残念な結果になって、ここが限界なのかな」と感じて師匠の木瀬親方(元幕内・肥後ノ海)に相談した。最後の場所となった名古屋場所はご当所。「最後は勝ち越しても負け越しても思い切りの良い相撲を家族の前で見せたい」と覚悟を持って臨み、見事に5勝2敗で勝ち越した。最後の取組の応援に駆けつけた両親からは「本当に楽しませてもらえた」と言葉を掛けられ「あー、やってきてよかった」と万感の思いだったという。

 今後は年寄「井筒」を襲名して後進の指導に当たる。師匠からは「いるだけで部屋が明るくなる。キツい稽古でも終わったら笑顔になれる、和ませられるような存在」と評された明るいキャラクターの明瀬山。これからは「稽古はキツくても元気よく相撲を取ってもらいたい。辞める時に“この力士を応援していてよかった”と言われるような力士を育てたい」と親方としての抱負を語った。

 十両と幕下の陥落、昇進を繰り返すこと計7度。その中で38歳まで現役を続けられたモチベーションを問われると「(稽古が)終わった後のちゃんこじゃないですか」と笑わせた。「食べることが好きなので、稽古している時も良い匂いがしてくると力になった。湯豆腐の独特のタレが大好きで」。明るい笑顔で冗談交じりに話す、明瀬山らしさが最後まで表れた引退会見だった。


 ◇明瀬山 光彦(あきせやま・みつひこ)本名=深尾光彦。1985年(昭60)7月18日生まれ、愛知県春日井市出身の38歳。小学生の頃、中京クラブで相撲を始め、4年時と5年時にわんぱく相撲全国大会優勝。埼玉栄高2年時に全国高校選抜弘前大会優勝。日大3年時に全国学生選手権3位、全日本選手権準優勝。08年初場所、木瀬部屋に入門して前相撲で初土俵。翌春場所で序ノ口優勝。09年名古屋場所で幕下優勝。10年九州場所で新十両。16年春場所で新入幕。最高位は東前頭12枚目。幕内在位4場所。幕内成績21勝32敗7休。十両在位38場所。通算成績472勝473敗29休。1メートル83、182キロ。

おすすめテーマ

2023年08月10日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム