プロテインで「便秘」「腸内環境悪化」の原因とは。快便になったという声もあるけど…どっち?

2023年09月26日 09:00

プロテインで「便秘」「腸内環境悪化」の原因とは。快便になったという声もあるけど…どっち?
手軽にタンパク質を摂れると人気なプロテインですが、「便秘になる」「腸内環境が悪化する」という声も……。これは一体なぜなのか、お医者さんに聞きました。 プロテインで便秘になった時の便秘解消法や、ビオフェルミンなどの便秘薬を […]

手軽にタンパク質を摂れると人気なプロテインですが、「便秘になる」「腸内環境が悪化する」という声も……。これは一体なぜなのか、お医者さんに聞きました。

プロテインで便秘になった時の便秘解消法や、ビオフェルミンなどの便秘薬を使っていいのかなども。また、「便秘が治った」「快便になった」という声もあるので、こちらの原因も解説します。

なぜ?プロテインで「便秘」「腸内環境悪化」の原因

プロテインには、タンパク質が多く含まれています。プロテインで便秘になる・腸内環境が悪化するのは、タンパク質の過剰摂取が原因であると考えられます。

タンパク質の過剰摂取が便秘につながるしくみ

プロテインで「便秘」「腸内環境悪化」するしくみ

タンパク質を消化する時に、消化管内に窒素が発生します。この窒素は、悪玉菌のエサになると言われており、結果的に悪玉菌の増殖につながる可能性があります。悪玉菌が増殖することで、腸内環境のバランスが崩れ、便秘になることが考えられます。

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プロテインによる便秘対策

プロテインによる便秘を対策するために、

  • 十分に水分補給をする
  • 食事のバランスを整える
  • 適度に運動して腸の動きを刺激する

などの対策を取ると良いでしょう。

便秘の理由が、食事制限やストレスが関係している可能性があります。ご自身の生活習慣も考慮して対策しましょう。

プロテインによる便秘解消方法

プロテインによる便秘解消方法

善玉菌を摂取する

腸内環境を改善するために、善玉菌(プロバイオティクス)を含む食品やサプリメントを摂取すると良いでしょう。

▼善玉菌を含む食品

  • ヨーグルト
  • 味噌や納豆などの発酵食品

食物繊維を多く含む食品を食べる

バランスの良い食事を意識した上で、

  • 野菜
  • 果物
  • 穀物類

など、食物繊維を多く含む食品を積極的に食べましょう。食物繊維は、便のカサを増やす・便の動きを良くするなどの働きがあるため、便秘解消に役立ちます。

適度に運動をする

腸の動きを促進するために、適度な運動を行いましょう。便秘解消が目的の場合、毎日簡単な体操を行うと良いでしょう。

プロテインによる便秘でビオフェルミンを使ってもいい?

プロテインによる便秘でビオフェルミンを使ってもいい?

プロテインによる便秘でも、ビオフェルミンを使用しても大丈夫です。ビオフェルミンは、腸内環境を改善するために役立ってくれます。

ビオフェルミンなどの酸化マグネシウムを用いた非刺激性の便秘薬は、ミネラル成分が便を柔らかくしてくれるため、自然に近い形で便通を良くしてくれます。お腹に優しく、クセになりにくいという特徴があります。

ただし、便秘薬の過剰使用は症状を悪化させることがあります。そのため、ひどい便秘の場合は、医師のアドバイスを仰ぐべきです。

「プロテインで便秘治った」という声も……

便秘が良くなる原因

プロテインが直接作用して便秘が治った・快便になったということは考えにくいです。そのため、便秘が治ったという場合、プロテイン以外の要因が関係している可能性があります。

例えば、

  • 食事内容の改善
  • 運動習慣の増加

などです。

「タンパク質は便を硬くする作用がある」ってホント?

タンパク質によって、便が硬くなる可能性は考えられます。しかし、「タンパク質そのものが便を硬くする作用がある」というのは間違いだと言えるでしょう。

先述した通り、タンパク質を摂取することで、

  1. タンパク質が消化する過程で、窒素が発生する
  2. 窒素は悪玉菌のエサとなるため、悪玉菌の増殖につながる
  3. 腸内環境のバランスが崩れ、便が固くなる

ということが起こるため、タンパク質の摂取によって便が固くなる可能性は考えられます。

しかし、便が固くなるのは運動不足・食生活が原因のことが多いです。そのため、便秘解消のためには、適度な運動とバランスの良い食事を心がけましょう。

タンパク質摂り過ぎによるデメリット

プロテインシェイカー

タンパク質を摂取しすぎると、消化管への負担増加や腸内環境の変化から、

  • 吐き気
  • 嘔気
  • 下痢
  • 便秘

などの症状が起こる可能性が考えられます。

稀ですが、重症な場合は高アンモニア血症を起こし、意識障害を引き起こすこともあります。

摂り過ぎのライン

いくつかの論文を整理すると、日常的に摂取するタンパク質の上限としては以下の通り。下の数値内に収めることを意識すると良いでしょう。

  摂取量 備考
・運動習慣がない人
・負荷の低い運動習慣がある人
〜2.0 g/kg/日
⇒体重50kgなら~100g/日
長期的な摂取のリスクは少ない摂取量だと考えられます。
・負荷の高い運動習慣がある人
・病気により体力を消耗している人
〜3.5g/kg/日
⇒体重50kgなら〜175g/日
左記の量の摂取は許容できますが、目的もなく摂取を継続することは推奨できません。

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監修者プロフィール

なかざわ腎泌尿器科クリニック
院長 中澤 佑介

金沢医科大学医学部医学科卒業。「患者さんに近い立場で専門的医療を提供したい」という思いで2021年、なかざわ腎泌尿器科クリニックを開設。2023年6月、JR金沢駅前にメンズヘルスクリニック(Gran Clinic)を開院。

▼参考
ビオフェルミン 酸化マグネシウム便秘薬ブランドサイト - ビオフェルミン製薬

<Text:編集部>

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