「冷凍すると味が落ちる」は勘違い!冷凍博士に聞いた【誤解しがちな冷凍保存テクニック】

2023年10月22日 09:00

「冷凍すると味が落ちる」は勘違い!冷凍博士に聞いた【誤解しがちな冷凍保存テクニック】
賞味期限が近い食品を見て、捨てるのがもったいないからとりあえず冷凍! と、なんでもかんでも冷凍庫に入れてしまう。自炊あるあるです。冷凍すればひとまずは安心なのか、はたまた味や栄養が落ちるのか。そもそも正しい冷凍保存の方法 […]

賞味期限が近い食品を見て、捨てるのがもったいないからとりあえず冷凍! と、なんでもかんでも冷凍庫に入れてしまう。自炊あるあるです。冷凍すればひとまずは安心なのか、はたまた味や栄養が落ちるのか。そもそも正しい冷凍保存の方法とは。

日本における食品冷凍学の第一人者である“冷凍博士”・鈴木徹先生に、冷蔵・冷凍・解凍の正しい知識を教えてもらいました。

「冷凍すると食材の味が落ちる」ってホント?

冷凍すると栄養、うまみがアップしたり、下味冷凍で味が長持ちすることも

「冷凍すると長期保存できる代わりに、食材の味が落ちると勘違いされがちです。しかし、実は脂質の酸化を防ぐなど食材の劣化を止める役割もあります。また、シジミのオルニチンなどは冷凍することで増加し、きのこ類も冷凍することで細胞が壊れ、酵素が働くことでうまみ成分であるグアニル酸が増えます。」(鈴木先生)

鈴木先生によると、食材に下味をつけた状態で冷凍保存する時短テクニック“下味冷凍(※)”により、味が長持ちするといいます。


(※)下味冷凍とは
ジップロックなどの冷凍保存袋を活用し、肉や魚などの食材に下味をつけて、冷凍保存する方法。使いたい日の朝に冷蔵室に移しておく。

下味冷凍で味が長持ちする3つの理由

なぜ下味冷凍で味が長持ちするのでしょうか。それには以下の理由が挙げられます。

  1. 液体調味料が食材の表面を覆い、乾燥を防ぐ
  2. 肉や魚などの食材のたんぱく質同士の結合を防ぎ、栄養分やうまみの流出を防ぐ
  3. 肉や魚のたんぱく質を酵素で分解する

また、味香り戦略研究所の味覚検証によると、「下味冷凍すると食材のコクがアップする」ことが判明しています。

鮭や鶏むね肉、鶏もも肉は下味冷凍することで、通常調理(冷凍しない)と比べて味の深みと厚みがアップするという調査結果に。

「下味つきで冷凍⇒冷蔵庫で解凍」がよさそう

なんとなく冷凍をすると味が落ちてしまうのではというイメージでしたが、一概にそうとは言えないようです。

むしろ積極的に冷凍したい食材も……その際は下味をつけたまま冷凍がベスト、ですね。

教えてくれたのは

東京海洋大学 産学・地域連携推進機構 特任教授
鈴木徹(すずき・とおる)


東京水産大学(現東京海洋大学)食品工学専攻修士修了。一般社団法人食品冷凍技術推進機構FFTech 代表 。 日本における食品冷凍学の第一人者。『無駄にしない!おいしく食べ切る!冷凍保存&解凍テク 』 (朝日新聞出版)など多くの書籍を監修。テレビ東京「なないろ 日和!」、「ソレダメ!」、日本テレビ「ネクストブレイク」などメディアでも多数出演。

<Edit:編集部>

おすすめテーマ

2023年10月22日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム