柔道・斉藤立 学生最後のタイトルを逃し涙目「この経験は自分が強くなるためにある」

2023年10月22日 20:56

柔道

柔道・斉藤立 学生最後のタイトルを逃し涙目「この経験は自分が強くなるためにある」
<柔道全日本学生体重別団体優勝大会最終日・男子準々決勝・日体大・国士舘大>日体大のグリーンを抑え込んで一本勝ちを収めた国士舘大の斉藤立 Photo By スポニチ
 柔道男子100キロ超級で、来年のパリ五輪代表に内定している斉藤立(21=国士舘大)が22日、兵庫県尼崎市のベイコム総合体育館で開催された全日本学生体重別団体優勝大会(7人制)に国士舘大の一員として出場。現在4年で学生大会は最後の出場だったが、準決勝で筑波大に1―2で敗れ、有終の美を飾ることはできなかった。
 前日行われた2回戦は出番のなかった斉藤だが、この日は3回戦の中大戦から登場した。準々決勝の日体大戦では、100キロ級で昨年12月のグランドスラム東京大会3位に入った実力者のグリーン・カラニ海斗(4年)を横四方固めで破るなど、準決勝まで3試合をオール一本勝ち。だが奮戦及ばず、優勝した筑波大に屈した。

 左胸に「国士舘」と刺しゅうされた柔道着で試合に臨むのは、今回が最後。大阪の親元を離れ、高校時代と合わせて7年間も看板を背負って戦ったが、タイトル獲得はならなかった。試合後には大きな両目を潤ませながら、「本当に悔しい。黄金世代と言われたが、(4年間で団体戦の)優勝が1回しかない。1日1日の積み重ねと、勝負の厳しさを思い知った」と唇をかんだ。

 20年4月に入学。すでに東京五輪代表入りの可能性は断たれており、パリ五輪への仕切り直しとともに大学生活が始まった。昨年4月には全日本選手権で五輪2連覇の故・仁さんとの史上初の父子優勝を達成。初の世界選手権代表に内定したが、6月の全日本学生団体優勝大会では決勝の東海大戦で代表戦に選ばれながらも敗れ、柔道人生最大の失意を味わった。

 「自分が引っ張らないといけない存在なのに、足を引っ張ってばかりだった。個人戦のことしか見ていなかった」。国士舘大柔道部員としての存在意義を見直し、その後の学生大会ではフォアザチームに徹した。筑波大戦でも敗れたり引き分けに持ち込まれて落ち込む後輩に真っ先に声がけ。慰め、ねぎらい、来年以降の奮起を促した。

 パリ五輪開幕まで、残り9カ月あまり。今後は金メダルへの挑戦が本格化する。「個人戦とは違うプレッシャーを経験したからこそ、五輪では力に変えられると思う。この経験は自分が強くなるためにあると思う」と斉藤。7年間の教えを胸に、必ず金メダルをつかみ取る。

この記事のフォト

おすすめテーマ

2023年10月22日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム