柔道・斉藤立 学生最後のタイトルを逃し涙目「この経験は自分が強くなるためにある」
2023年10月22日 20:56
柔道
左胸に「国士舘」と刺しゅうされた柔道着で試合に臨むのは、今回が最後。大阪の親元を離れ、高校時代と合わせて7年間も看板を背負って戦ったが、タイトル獲得はならなかった。試合後には大きな両目を潤ませながら、「本当に悔しい。黄金世代と言われたが、(4年間で団体戦の)優勝が1回しかない。1日1日の積み重ねと、勝負の厳しさを思い知った」と唇をかんだ。
20年4月に入学。すでに東京五輪代表入りの可能性は断たれており、パリ五輪への仕切り直しとともに大学生活が始まった。昨年4月には全日本選手権で五輪2連覇の故・仁さんとの史上初の父子優勝を達成。初の世界選手権代表に内定したが、6月の全日本学生団体優勝大会では決勝の東海大戦で代表戦に選ばれながらも敗れ、柔道人生最大の失意を味わった。
「自分が引っ張らないといけない存在なのに、足を引っ張ってばかりだった。個人戦のことしか見ていなかった」。国士舘大柔道部員としての存在意義を見直し、その後の学生大会ではフォアザチームに徹した。筑波大戦でも敗れたり引き分けに持ち込まれて落ち込む後輩に真っ先に声がけ。慰め、ねぎらい、来年以降の奮起を促した。
パリ五輪開幕まで、残り9カ月あまり。今後は金メダルへの挑戦が本格化する。「個人戦とは違うプレッシャーを経験したからこそ、五輪では力に変えられると思う。この経験は自分が強くなるためにあると思う」と斉藤。7年間の教えを胸に、必ず金メダルをつかみ取る。
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