新十両・尊富士「早く優勝争いやってみたい」幕内での活躍が目標 年下の兄弟子・熱海富士に刺激

2023年11月29日 13:56

相撲

新十両・尊富士「早く優勝争いやってみたい」幕内での活躍が目標 年下の兄弟子・熱海富士に刺激
新十両昇進が決まり、部屋の看板の前でポーズを取る尊富士(撮影・前川 晋作) Photo By スポニチ
 日本相撲協会は29日、福岡国際センターで初場所(来年1月14日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議を開き、尊富士(24=伊勢ケ浜部屋)と欧勝海(22=鳴戸部屋)の新十両昇進を発表した。尊富士はこの日、福岡・太宰府天満宮内の伊勢ケ浜部屋宿舎で会見を行った。
 関取昇進が決まった尊富士は「うれしい気持ちと、次に向けて頑張ろうという気持ちがあります」と慢心することなく気を引き締めた。十両の地位は「通過点」としており、見据える先は幕内での活躍。「部屋の関取衆に稽古をつけてもらって、関取衆に勝ちたい欲が強くなった。早く同じ土俵に立ちたい」。部屋の5人の幕内力士たちと肩を並べる日が来ることを待ち望んだ。

 場所前の稽古では、幕内・熱海富士(21)と互角の勝負を繰り広げていた。入門は尊富士の方が約2年遅いが、学年は3つ上。「ライバル」と表現する年下の兄弟子の活躍に「熱海富士関が優勝争いとかしていて、自分も早く優勝争いやってみたいなという気持ちもある」と刺激を受けた。

 その熱海富士に並ぶ、初土俵から所要8場所での新十両昇進は昭和以降7位タイの記録。熱海富士からは「一緒だね~」と言われたという。「うれしい気持ちと、あと1場所早ければなという気持ちがありました」。スピード昇進の記録も、やはり負けたくない気持ちがあったようだ。

 伊勢ケ浜部屋に入門したきっかけは、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)が同郷であり、横綱・照ノ富士が鳥取城北高の先輩に当たるという2つの縁から。高校生の頃から照ノ富士に声を掛けられており「横綱の生き方が響いた。強くなるところに入りたかった」と入門を決意した。

 秋巡業では横綱の付け人として帯同。巡業先で移動してからトレーニングジムを探して筋力トレーニングの指導を受けたこともあった。「キツかったけど努力するのが一番。それが今場所の結果につながったと思うと、やってよかったなと思います」。くしくもこの日は、照ノ富士の32歳の誕生日。吉報を届け、一つの恩返しとなった。


 ◇尊富士 弥輝也(たけるふじ・みきや)本名=石岡弥輝也。1999年(平11)4月9日生まれ、青森県五所川原市出身の24歳。五所川原金木道場で6歳の頃に相撲を始め、つがる旭富士ジュニアクラブや中泊道場でも稽古に励んだ。つがる市立木造中3年時に全国都道府県中学生大会3位。鳥取城北高1年時に全国高校金沢大会8強。3年時に全国高校総体3位。日大2年時に全日本大学選抜金沢大会準優勝。全国学生体重別大会135キロ未満級準優勝。日大を卒業後、伊勢ケ浜部屋に入門。22年秋場所で初土俵。同年九州場所で序ノ口優勝。23年初場所で序二段優勝。座右の銘は「初志貫徹」。1メートル84、139キロ。

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