新十両・尊富士「この部屋じゃなかったら後悔している」青森出身・同郷の師匠との縁に感謝

2023年11月29日 18:50

相撲

新十両・尊富士「この部屋じゃなかったら後悔している」青森出身・同郷の師匠との縁に感謝
新十両昇進会見を行った尊富士(左)と師匠の伊勢ケ浜親方(撮影・前川 晋作) Photo By スポニチ
 日本相撲協会は29日、福岡国際センターで初場所(来年1月14日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議を開き、尊富士(24=伊勢ケ浜部屋)と欧勝海(22=鳴戸部屋)の新十両昇進を発表した。尊富士はこの日、福岡・太宰府天満宮内の伊勢ケ浜部屋宿舎で会見を行った。
 青森県五所川原市出身の尊富士は小中学生の頃、地元の「つがる旭富士ジュニアクラブ」で相撲に取り組んでいた。その縁もあり、同郷の元横綱・旭富士が師匠を務める伊勢ケ浜部屋に入門。「強くなるところに入りたかった」と、猛稽古で知られる名門を選んだ。「この部屋じゃなかったら後悔しているだろうなと思います。生まれ変わっても伊勢ケ浜部屋に入っていると思います」。横綱・照ノ富士(32)を始め5人もの幕内力士が在籍する、稽古相手に恵まれた環境に感謝した。

 師匠にとっては、尊富士が小学生の頃から知っている同郷の後輩。「旭富士道場で稽古していて小さい頃から知っているので(関取に)上がってよかったなと思います」と感慨を込めた。さらに「黙って見守っていても十両ぐらいは行くんじゃないかと思っていた」とその素質を高く評価。「一気に押せなくなった時にどうしたらいいか。立ち合いの当たりをもっと強くしないと、止まらないようにしないと」と今後への課題を挙げた。

 相撲王国・青森県からは、旭富士を始めとする6人の横綱と5人の大関を輩出している。幕内力士は1883年(明16)から140年もの長期にわたって途絶えておらず、現在も阿武咲、宝富士、錦富士の3人が幕内の土俵に上がっている。部屋の兄弟子でもある宝富士や錦富士からそのことをよく聞かされているという尊富士は「自分も早く幕内へ行かないと」と青森県人としての誇りを胸に戦ってきた。

 相撲どころの青森県内では、十両ではなく大関まで上がらないと認めてもらえないという都市伝説のような噂も。これに対して師匠は「横綱にならないと認めてくれないでしょ」と元横綱ならではの返答。角界の頂点を目指すスタート段階にいる尊富士は「まあ…やるしかないですね」とたじたじだった。

 ◇尊富士 弥輝也(たけるふじ・みきや)本名=石岡弥輝也。1999年(平11)4月9日生まれ、青森県五所川原市出身の24歳。五所川原金木道場で6歳の頃に相撲を始め、つがる旭富士ジュニアクラブや中泊道場でも稽古に励んだ。つがる市立木造中3年時に全国都道府県中学生大会3位。鳥取城北高1年時に全国高校金沢大会8強。3年時に全国高校総体3位。日大2年時に全日本大学選抜金沢大会準優勝。全国学生体重別大会135キロ未満級準優勝。日大を卒業後、伊勢ケ浜部屋に入門。22年秋場所で初土俵。同年九州場所で序ノ口優勝。23年初場所で序二段優勝。座右の銘は「初志貫徹」。1メートル84、139キロ。

この記事のフォト

おすすめテーマ

2023年11月29日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム