早田ひな「やらなきゃ何も始まらない」 打倒中国勢へ、ボールのスピード強化

2023年11月29日 07:00

卓球

早田ひな「やらなきゃ何も始まらない」 打倒中国勢へ、ボールのスピード強化
早田ひな Photo By スポニチ
 【オリンピアンロードの歩き方】五輪を目指すアスリートや関係者を取り上げるコラムの今回は、卓球女子の早田ひな(23=日本生命)。パリ五輪シングルス代表の選考レースでトップを独走する日本のエースは今、新たなスタイルを構築し始めた。金メダルを目標に掲げ、大舞台まで1年を切った中で大きな決断を下した。
 15歳に敗れても、早田の表情に曇りはなかった。25、26日に行われた卓球全農カップ大阪大会の決勝。果敢に攻めてくる張本美和(木下アカデミー)には勢いがあり、9度目の対戦にして初黒星を喫した。試合後の取材エリア。「負けるのは時間の問題だと思っていた。見るたびに強くなっている」。そう張本の強さを称えた上で、手応えも口にした。

 「今は絶賛、崩しているところなので。新たな(スタイルの)自分でスタートして、今大会は20(%)から始まって。50ぐらいの感覚まで持ってこられたし、全てに意味があると思う」

 東京五輪は補欠だったものの、現在はパリ五輪シングルス代表の選考レースでトップを独走。今年は世界選手権で銅メダルを獲得し、中国選手を破るなど進化を示して世界ランク5位につける。だが、10~11月のWTTチャンピオンズ・フランクフルト準決勝で同2位の王曼イク(中国)に1―4で敗戦。スタイルを再構築する必要性を痛感させられた。

 「このままではパリでメダルは獲れない。五輪の金メダルはもちろん、世界ランク1位になるのは厳しいなと。やるしかない」

 これまではボールの回転を使う戦いを持ち味としてきたが、海外遠征から帰国して今大会までの2週間あまりは、ボールのスピードを追求。従来よりも上半身のウエートトレーニングを増やし、ベンチプレスやマシンなどで限界まで追い込んできた。「今大会はユニホームがピチピチになっているなと感じた」と成果を口にし、新たな戦い方で勝負した。

 パリ五輪まで1年を切った中での大きな変化には怖さも生じるはずだが、迷いはない。「やり始めてすぐで、自分に合っているか合っていないかもまだ分からないけど、やらなきゃ何も始まらない」。世界一を目指すからこその決断。強さを追い求め、挑戦は続く。

 ◇早田 ひな(はやた・ひな)2000年(平12)7月7日生まれ、福岡県北九州市出身の23歳。4歳の時に石田卓球クラブで競技を始め、全国中学校大会で2連覇。東京五輪は補欠となったが、今年1月の全日本選手権で3冠を達成し、同5月の世界選手権では銅メダルを獲得。1メートル67。左利き。

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