宮城野親方「師匠失格」 理事会「素養、自覚が大きく欠如」 最悪「部屋閉鎖」も免れない状況

2024年02月24日 04:45

相撲

宮城野親方「師匠失格」 理事会「素養、自覚が大きく欠如」 最悪「部屋閉鎖」も免れない状況
うつむく宮城野親方(撮影・島崎忠彦) Photo By スポニチ
 日本相撲協会は23日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、弟子の幕内・北青鵬(22)の日常的な暴力行為に対する監督義務違反で、師匠の宮城野親方(元横綱・白鵬)を委員から年寄への2階級降格と、3カ月の20%報酬減額とする処分を決めた。また師匠としての素養と自覚の欠如も問題視され、4月以降は所属する伊勢ケ浜一門が宮城野部屋を預かることを決めた。北青鵬は23日までに引退届を提出。理事会が受理し引退勧告処分相当とした。
 土俵上で自信満々に見えを切る大横綱の姿はみじんもなく、表情は沈痛そのものだった。「師匠失格」――。理事会で屈辱の宣告を突きつけられてから約5時間後の午後3時、宮城野親方は部屋の正面玄関で北青鵬と並んで謝罪した。「このたび、弟子の北青鵬が弟弟子に暴力を振るいました。そして弟子を守ることができなかった責任を受け止めております。相撲協会、大相撲ファン、応援してくださる方に心配をおかけしたことを深く反省し、申し訳ない気持ちでいっぱいです。すいませんでした」

 臨時理事会では北青鵬への監督責任を問われ、2階級降格、3カ月の20%減給の処分を言い渡された。再雇用者の参与を除けば最下位の役職に転落。部屋以外で寝泊まりするなど師匠として問題意識の欠如、部外者を使った口止め工作、報告義務違反などが要因とされ「当事者と北青鵬に事情を直接確認もせず被害写真の確認すらしなかった。北青鵬に対する監督と協会への報告を怠った結果、1年を超える常態化した暴力被害を生じさせた宮城野の責任は重大である」と糾弾された。

 理事会では懲戒処分に加え、師匠としての素養も審議され「師匠としての素養、自覚が大きく欠如している」と判断された。それにより3月の春場所は所属する伊勢ケ浜一門で宮城野部屋の師匠代行を任命する。部屋付きの間垣親方(元幕内・石浦)の名が浮上しており、4月からは同一門預かりとなる。最悪「部屋閉鎖」も免れない流れだ。

 過去の事例を見ても厳しすぎる処罰となったが、芝田山広報部長(元横綱・大乃国)によると、出席者から反対の意見はなかったという。同部長は「コンプライアンス委員会では相撲協会から排除すべきという声も出た」と続けた。

 現役時代には万歳三唱事件など数々の問題行動を起こし、21年9月の引退時には相撲界の伝統、ルールから逸脱した行動を取らないといった趣旨の誓約書を提出させられた。それからわずか3年、歴代最多45回優勝の栄光は完全に色あせた。

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