毎日便が出ると痩せる?便秘だと太る?排便回数とダイエットの関係性
2024年03月26日 09:00
便秘はダイエットに良くないというのは定説ですが、では毎日排便できていれば痩せやすいのでしょうか。ダイエット中は何度もうんちが出る、回数が増えるという声もありますが、排便とダイエットには何か関係性はあるのでしょうか。
毎日便が出ると痩せるってホント?
毎日便通がある人は瘦せやすいのか、それともとくに関係はないのでしょうか。
毎日便通がある=腸内環境が整っている=瘦せやすい
口から入った食物は、消化管を通って肛門から便として排泄されます。
便の7〜8割は水分でできており、残りは消化管で吸収されなかった食べかすや、老廃物、腸内細菌の死骸なども含まれ、健康な人であればバナナのような形をしています。
毎日便通があるということは、腸内環境が整っている状態とも言われています。腸内環境が整っていることは、栄養素が腸で消化吸収できる状態が整っているため、栄養素を全身に運ぶこともできます。
その結果、代謝もよくなり、痩せやすくなると言われています。
便のぶんだけ水分も排出され、体重は減る
また、便通があることで痩せると思っている方もいるかもしれませんが、排便をするとともに水分も身体から排出されるため、脱水として体重が落ちることもあります。
体重が減ることで、身体の脂肪が減ったように思えるかもしれませんが、一時的に水分が減った分であることが多く、実際に痩せたということではありません。
便秘の人は太りやすい、ダイエットをしても瘦せにくいってホント?
では、便秘の人は瘦せにくいのでしょうか。
便秘が続くと腸内の悪玉菌が増え、腸内環境が悪くなってしまいます。
腸で本来取り込みたい栄養素が取り込みにくくなり、うまく吸収できなくなってしまいます。すると代謝も悪くなり、老廃物などが溜め込まれやすくなり、むくみや血行不良などにもつながります。
食事管理や運動などをしていても、腸に便が溜まった状態では、単に身体が重くなるだけでなく、代謝も悪くなってしまいむくみにも繋がることも。
その結果、体重が落ちにくくなってしまいます。
食事量の少なさから便秘に
また、ダイエットをしていることで便秘になってしまうこともあります。
特に、無理な食事制限のダイエットをしている人は、摂取する食事の量が少なくなるため、出す便の量も減ります。
食事量が少なくなることで栄養バランスも乱れ、食物繊維の摂取も減ってしまい、腸への刺激も弱まり腸の動きも悪くなるという流れに。
間違った食事制限のダイエットをしている人は便秘にもなりやすく、さらに便秘が長引くことで代謝も落ちむくみにも繋がり、さらに痩せにくくなるという悪循環にもつながりやすいです。
どこからが便秘なのか。毎日でないとダメ?
では、何日出ないと便秘と考えられるのでしょうか。
実は、便秘には明確な定義はなく、便が腸に長い間溜まり排泄されにくい状態を指します。
一般的には、3日以上排便がなかったり、便が硬くて出る量が少なかったり、出しても残便感もある状態を便秘と呼んでいます。
排便が1日1回ある状態が健康な状態とされていますが、1回の量が少なかったり、1日3回以上出る場合でも、出してもすっきりしない場合なら便秘とも言えます。
例えば、普段の排便習慣や状況と比べて、以下のポイントに当てはまるものが多いほど、便秘の状態に近くなっていると言えるでしょう。
- 便意がない
- 3日以上出ていない
- 強くいきまないと出ない
- 便が固くコロコロした形状
- 出すのに時間がかかる
- 出しきれてなく残便感がある
便秘の原因にもいくつか種類がある
また、便秘は原因の違いによって大きく3つに分けられます。
便秘の原因その1「弛緩性便秘」
1つ目は、弛緩性便秘と呼ばれ、大腸の働きが低下することで起きます。
老廃物として大腸に便が入っていても、大腸の動く機能が弱まっていて蠕動(ぜんどう)運動が十分に行われないと、便が送り出されず、長時間腸内に留まってしまいます。
便秘の原因その2「けいれん性便秘」
2つ目は、けいれん性便秘と呼ばれ、ストレスにより自律神経が乱れることでおこります。
排便は副交感神経が優位になる時に行われますが、ストレスを受けると交感神経が優位に働き、常に緊張状態となります。
その結果、腸の動きが弱まり、便秘になりやすくなります。
便秘の原因その3「直腸性便秘」
3つ目は、直腸性便秘と呼ばれ、習慣的に便意をがまんしてしまうことで起こります。
便意をがまんすることで、肛門の直前にある直腸の神経が鈍くなり、直腸まで便が送り出されたとしても出にくくなり便秘になってしまいます。
なかなか便が出ない時はどうしたらいい?
これらの便秘解消のためには、食事を整えることが大切です。
食事量は減らしすぎない
ダイエットのために食事量を極端に減らし過ぎてしまうことで、便のカサが不足し出にくくなってしまうため、むやみに減らしすぎないことがポイントです。
食物繊維や乳酸菌を摂る
また、食事の中でもとくに食物繊維や乳酸菌を摂ることを意識する、水分もこまめにしっかり摂ることがポイントです。
乳酸菌は腸内の善玉菌のエサとなるため、乳酸菌を含む食べ物(発酵食品など)を意識して取り入れることで、善玉菌を増やすことにもつながります。
水分不足も便秘の原因に
水分が不足すると便が硬くなりやすいため、スムーズな排便のためにも適切な水分補給も重要となります。
また、生活リズムの乱れや、ストレスでも便秘になりやすくなります。食事や生活リズムを整えて便秘予防・解消をしていきましょう。
「宿便」ってあるの?
ダイエットと便秘を調べると、「宿便」というワードが出てくることがあります。
宿便と聞くと、長時間かけて腸内にこびりついた状態をイメージする人が多いかもしれませんが、それが宿便ということではありません。
宿便とは医学的用語として存在はしていますが、いわゆる宿便としてイメージされるような腸内に長期間溜まっている便は「滞留便」とも呼ばれています。
腸内に長期間溜まっている便の特徴
いわゆる宿便と言われている便は、強い悪臭があったり、黒い色をしていたり、ドロドロしていたり、硬いころころした形状だったりと、さまざまな特徴があると言われています。
これが宿便であるかどうかに関わらず、腸内にずっと便が残った状態では、悪玉菌の増殖やガスが過剰に発生してしまうため、腸内環境の悪化にもつながります。
それによって悪臭を放ち、さらに腐敗も進むため、上記のような特徴の便になってしまいます。
便秘や、腸内にずっと便が残っている状態では、腸内環境も乱れやすく痩せにくい状態となってしまうため、日頃から食事や生活リズムを整えていきましょう。
監修・著者プロフィール
板橋瑠美
渋谷DSクリニック管理栄養士。患者さまの食事内容や生活スタイル、減量したい目的などをお伺いし、一人ひとりに合わせて無理のない食事改善のポイントを提案。我慢や制限するばかりのつらいダイエットではなく、普段の生活に合わせて健康的に減量するための実践方法を伝えている。
<Edit:編集部>
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