尊富士の「横綱に恩返しできたと初めて思いました」 憧れテル兄弟子・照ノ富士に感謝

2024年03月26日 04:45

相撲

尊富士の「横綱に恩返しできたと初めて思いました」 憧れテル兄弟子・照ノ富士に感謝
本紙を手に笑顔の尊富士(撮影・亀井 直樹) Photo By スポニチ
 大相撲春場所で所要10場所目での史上最速優勝、110年ぶりの新入幕優勝という歴史的偉業を成し遂げた尊富士(24=伊勢ケ浜部屋)が千秋楽から一夜明けた25日、大阪市内で会見。14日目の右足首負傷を乗り越える後押しをしてくれた兄弟子の横綱・照ノ富士(32)に恩返しできた喜びと、今後の目標を語った。
 大相撲の歴史を変えた尊富士は、穏やかな表情で心境を述べた。「さっぱどしたじゃ」。津軽弁で「すっきりした」という意味。15日間の激闘を終え、実際は数時間しか寝ていないが、「場所中よりもよく眠れたかな」と解放感に浸った。

 千秋楽の夜、部屋の横綱・照ノ富士から「俺の9回よりお前の優勝の方がうれしかった」と喜ばれた。尊敬してやまない兄弟子に褒められ、ちょんまげ頭を何度も撫でてもらった。「一番うれしかった。横綱に少しでも恩返しできたと初めて思いました」。照ノ富士に憧れて伊勢ケ浜部屋の門を叩いてからわずか1年半、最高の恩返しを果たした。

 14日目の取組で右足首のじん帯を損傷。千秋楽の出場が危ぶまれた夜、横綱から不思議な力をもらったことを明かした。「お前ならやれる。記録はいいから記憶に残せ」と諭されると、自力で歩けなかった体に“異変”が起こった。「言われた瞬間、急に歩けるようになったんです。第二の自分がいるみたいに…自分でも怖かった」。横綱の言葉は、どんな薬よりも効いた。

 初場所では照ノ富士の優勝パレードで旗手を務め、今回は自身が主役に。「まさか次の場所でいけるとは…。旗手の続きを、一つのドラマを見ているような感覚だった。あの景色は何回見てもいい」。

 夏場所は前頭5枚目まで番付を上げる見通し。三役昇進を近い目標に定め、今後は大銀杏(おおいちょう)を結っての優勝も見据える。「自分を信じてやるしかない」。歴史を塗り替えた24歳には、次なる「最高の景色」が見えている。

 ≪尊富士に聞く≫
 ――優勝した実感は?

 「いろんな人から連絡が来て、本当に優勝したんだなと」

 ――青森から駆けつけた母と支度部屋で対面した時の心境は?

 「集中していたので、誰が来るかは分かっていなかった。会った時、相撲から離れて安心感がありました」

 ――母からどんな言葉をかけられた?

 「“よくやった”と。その言葉にいろんな思いが感じられました。相撲に関しては一番の親孝行ができたかなと思います」

 ――優勝に加えて三賞まで総なめ。

 「まさかここまでできるとは。夢のまた夢です」

 ――来場所には大銀杏が結えそう?

 「それは頑張っても伸びるものじゃないので(笑い)」

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