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岩田寛 最年長メジャーV 43歳悲願、石川遼とのPO制し「ほんとんど遼の応援だと思ってた」

2024年06月10日 04:20

ゴルフ

岩田寛 最年長メジャーV 43歳悲願、石川遼とのPO制し「ほんとんど遼の応援だと思ってた」
プレーオフを終え健闘をたたえ合う岩田寛(左)と石川遼(撮影・会津 智海) Photo By スポニチ
 【男子ゴルフツアー BMWツアー選手権森ビル杯最終日 ( 2024年6月9日    茨城県 宍戸ヒルズCC=7430ヤード、パー71 )】 43歳の岩田寛(フリー)が通算13アンダーで並んだ石川遼(32=CASIO)をプレーオフ1ホール目で下し、自身初のメジャー制覇を飾った。今季初となるツアー通算6勝目。43歳130日でのメジャー初制覇はツアー制度施行後では1995年に日本マッチプレー選手権を制した友利勝良の40歳313日を更新する日本人最年長記録で、今大会最年長優勝者にもなった。首位タイから5バーディー、2ボギーの68で回り、自身3度目のプレーオフで初めて勝利した。
 43歳だって泣きそうになる。ひょうひょうとした性格で知られる岩田が涙をこらえた。優勝を決めた瞬間ではない。プレーオフに向かう途中に「岩田頑張れ!」の声が聞こえた時だった。相手はあの石川遼。「ほとんど遼の応援だと思っていた」。だから染みた。アプローチ勝負となった一騎打ちで、寄せきれなかった石川に対して1メートルにピタリ。43歳でのメジャー初制覇は、自身初のプレーオフ勝利にもなった。

 「最高です。最年長優勝なんですか、なんかその気持ち分かります。ほんとしんどい。うれしいというより、凄い疲れたって感じ」
 最終日はベテランならではの安定感が光った。前半で4つスコアを伸ばして単独首位に立つ。17番で3パットのボギーを叩いて首位タイに後退したが、最終18番でバンカーからパーオンさせてしぶとくプレーオフに持ち込み、決着をつけた。最終日のフェアウエーキープ率は85・714%で全体1位。30代から変わらぬトレーニングを続ける。「体を大きくしても、柔軟性を失わない」。日々の地道な積み重ねが、初タイトルへとつながった。

 年明け早々、岩田の電話が鳴った。尊敬するツアー通算20勝の谷口徹から「メジャーで勝てよ」とメッセージが届いた。今まではなかったメジャータイトルへの思い。その時から意識するようになったという。この舞台には因縁もあった。数年前に練習していた時のこと。「このコースはベテランじゃ勝てない」という声が耳に入ってきた。「腹立ってたんです」と“ヒロシ節”。あまり感情を表に出さない男が、胸にメラメラと燃やした反骨心もパワーに変えた。

 次々と若手の新星が現れる男子ゴルフ界で40歳から毎年、勝利を重ねてきた。「(自分は)笑顔が少ないですけど、応援よろしくお願いします」。43歳。まだまだツアーのど真ん中で戦い続ける。

 ◇岩田 一問一答◇
 ――最年長優勝になった。
 「きついですね~」

 ――40歳から勝ち続けられている秘訣(ひけつ)は?
 「中学の先生が40を超えたら年を“トル”って。3年たったんで僕、いま37歳です」

 ――正規のラウンド中に石川プロへの歓声が聞こえた時に緊張は?
 「今週の遼の(佐藤賢和)キャディーが僕の来週のキャディーなんです。どうすんだ気まずいな、と。なのでプレーオフ前にうらみっこなしねって言いました」

 ――谷口徹プロの存在とは?
 「赤ちゃん…。松ぼっくりだと思ってボールを拾ったらしいんですよ。尊敬はしています」

 ◇岩田 寛(いわた・ひろし)1981年(昭56)1月31日生まれ、仙台市出身の43歳。シニアで認定プロの父・光男さんの影響で中3からゴルフを始める。仙台育英高、東北福祉大を経て04年にプロ転向し、06年に初シードを獲得。14年のフジサンケイ・クラシックでツアー初優勝。15年全米プロで第2日に当時メジャータイ記録の63をマークし、翌16年には米ツアーに参戦。17年から日本ツアーに軸足を戻した。ツアー通算6勝。1メートル78、74キロ。

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