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阿部一二三の強さはどこから生まれるのか トレーナーが見た柔道連覇のパワーの源泉

2024年07月30日 07:06

柔道

阿部一二三の強さはどこから生まれるのか トレーナーが見た柔道連覇のパワーの源泉
昨年12月のグランドスラム東京大会で兄弟そろって優勝した阿部一二三(右)、詩(左)と記念撮影する寺田健太郎氏(寺田氏提供) Photo By 提供写真
 28日に行われた男子66キロ級で、阿部一二三(26=パーク24)が2連覇を達成した。柔道で日本勢の連覇は史上8人目の快挙で、節目の50個目の金メダルとなった。自身が初戦を迎える前に女子52キロ級の妹・詩(24=同)が敗退する大波乱がありながらも、最強の兄を証明。柔道人生最大の目標である五輪4連覇の半分をクリアし、28年ロサンゼルス五輪は、再び兄妹そろって金メダルを獲得することを誓った。
 この3年間の一二三の進化はどこか。17年頃からトレーナーとして指導する寺田健太郎氏(31)は、身体的な特徴を「筋肉が付きやすい。66キロ級では筋肉量がかなり多い」と説明する。対戦相手を力ずくで担ぎ技で投げるパワーの源泉だ。

 普段の体重は74、75キロで、8キロの減量が伴う。そのため「筋肉量を増やさずに出力を上げたり、スピード感を出す」がテーマだった。そこで注力したのが、実は19年8月の世界選手権で敗れた後から本格的に取り組んでいた階段トレーニング。「瞬発的に蹴る、持久力、心肺機能はかなり向上している」という。この3年間、足技の進境著しい一二三本人も、「地に足が着く感じがする」と効果を実感しているという。

 小柄だった小学校時代に女の子に試合で敗れ、以後は消防士の父・浩二さんが考案したトレーニングに励み、五輪2連覇王者の土台をつくった一二三。当時取り組んでいたメニューに関しても、寺田氏は「お父さんも凄く考えられている」と理にかなっていたと称える。器具を用いるウエートトレーニングは直線運動になりがちだが、柔道の動きを意識し、円運動の中で力を発揮できる筋力を養ったことで、「土台をつくったのは間違いない」と話した。

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