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「孤独になっている」連覇の堀米 早川コーチが明かした東京後の苦悩「誰も雄斗に何も言わない」

2024年07月30日 04:57

スケートボード

「孤独になっている」連覇の堀米 早川コーチが明かした東京後の苦悩「誰も雄斗に何も言わない」
<パリ五輪 スケボー男子ストリート>表彰式でナイジャ・ヒューストン(左から2人目)と抱き合う堀米(撮影・小海途 良幹) Photo By スポニチ
 【パリ五輪第4日 スケートボード ( 2024年7月29日    コンコルド広場 )】 雨のため27日の予定から29日に延期となった男子ストリートが行われ、堀米雄斗(25=三井住友DSアセットマネジメント)が21年東京五輪に続いて連覇を飾った。
 ナイジャ・ヒューストンやジャガー・イートン(ともに米国)、白井空良(ムラサキスポーツ)らと競い合った決勝。ベストトリックの最後の1本で97・08点をマークし、逆転で頂点に立った。

 その姿を、日本代表の早川大輔コーチは泣きながら見ていた。

 「マジでちょっと…僕の脳みそでは言葉が出てこない。言葉というより、感情があふれてきていた。気づいたら叫んでいたし、泣かないでおこうと思ったのに、涙が出てきた」

 堀米が語った「地獄のような3年間」。東京五輪後の本人の苦労を知るからこそ、自身も涙があふれた。

 「本当に頑張ってきたスケーターが、金メダリストになって、ただのスケーターじゃなくなっちゃった。ただのスケボーをできなくなった」

 五輪の選考レースでも遅れを取っていた昨年。街中でたまたま出会い、ご飯に行った。周りの人たちにも話を聞くと、置かれている状況の難しさを知った。

 「アドバイスをしたり、怒ってくれる人がいない。ちゃんと見てくれる人がいないんだなと、アメリカで孤独になっているんだなと感じたので。(五輪の)チャンピオンなので、みんなが遠慮しちゃって言えないとか。雄斗は俺にはそういうことは言ってこないし、困っているとかも言わないけど。周りの人たちから聞くと“もう誰も雄斗に何も言わない”みたいな。じゃあ(自分が)言ってやろうと。スケボーが大好きなんだから、スケボーしなさいと言ってやろうと思っていた」

 最後の最後で五輪切符をつかみ、そして最後の最後で大技を決めてパリで連覇を決めた。頑張ってきたことを知っているから、早川コーチは逆転を信じていた。

 「最後の一回でも残っていれば絶対に乗れるし、あの技も死ぬほど練習してきていたから。絶対に乗れると思ったし、ここ一番で乗るときの体の動きみたいなのを僕の脳裏に焼き付いていて。だんだんそれに近くなってきているなと思いながら見ていた。やっぱり、最後にバッチリだった」

 苦しみを乗り越えた先に迎えた歓喜の瞬間。最高の笑顔を見せる姿が何よりもうれしかった。

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