いつかジョーダンのように 河村勇輝がNBAデビュー戦でアシスト記録 無得点は反省「原因があると思う」
2024年10月27日 03:00
バスケット
停滞する流れを変えようと疾走した。見せ場は第4Q残り1分14秒。速攻からドリブルで相手を引きつけ、ゴール下への鮮やかなノールックパスで得点を演出。非凡なパスセンスは示したが、シュートは打てず「なかなか球が回ってこなくて、それには原因があると思う。ポジション取りなのか、もっと声を出すべきなのか。評価しづらい3分間だった」と振り返った。
身長1メートル73は現役NBA選手で最も小柄。大型選手に当たり負けしないため、数年前から肉体改造に取り組んできた。体重は高校時代の63キロから72キロまで増加。「クイックネスを失うことなく強さを手に入れたい」との狙いを形にし、23年のW杯や五輪での活躍につなげた。理想の選手像はブルズで黄金時代を築いたマイケル・ジョーダン。少年時代から映像を繰り返し見て「ゲームを支配する人、そして観客を魅了する人。引退してもずっと記憶に残る選手。そういう選手になれれば」と刺激を受けてきた。
この日は第1Qで自身を除く登録選手11人がプレー。厳しい立場だが「自分の実力を見ると当たり前」と謙虚に受け止めている。「挑戦はこれから。一喜一憂することなく、次の目標に向けてやっていく。勝利に貢献できる選手になりたい」。
バスケで本気で全国制覇を目指し始めた小学高学年の時に父親から送られた言葉がある。「感謝」「謙虚」「素直」「報恩」。感謝を忘れず夢の階段を上がっていくことが、支えてくれる人々への何よりの恩返しになる。
【河村勇輝はこんな選手】
☆生年月日など 2001年(平13)5月2日生まれ、山口県出身の23歳。中学の英語教師の父の仕事の都合で3歳までドイツで過ごす。6歳からバスケットボールに触れ、小学2年時から地元クラブに所属。福岡第一高では4度の全国制覇を経験。家族は両親と姉2人。身長1メートル73、72キロ。
☆Bリーグ 福岡第一高在学中の20年1月に特別指定選手として三遠に加入し、当時のB1最年少出場記録を更新。22年3月に東海大学を中退し、横浜BCとプロ契約。プロ1年目の22~23年にMVPと新人賞を受賞。
☆日本代表 22年7月のW杯アジア予選・台湾戦でA代表デビュー。23年W杯は司令塔として五輪切符獲得に貢献。今夏のパリ五輪では1試合平均20・3得点、7・7アシストと活躍。
☆イチロー バスケを始めるまで野球少年でイチローに憧れた。イチローの名言集を何度も読み「自分の意志を貫き通すストイックさに魅力を感じる」と心酔。
☆文武両道 福岡第一高時代は国公立進学コースで勉強に励んだ。東海大を中退する際は両親を説得。父から「自分で責任を取れるなら」と厳しい言葉で許可された。
【日本人のNBAデビュー戦】
☆田臥勇太(04年11月3日=サンズ)ホークスとの開幕戦に第4Q残り10分から途中出場。日本人初のNBAプレーヤーとなった。残り6分33秒にフリースローを2本決めて初得点。3点シュートも沈めるなど7得点を挙げ、112―82の勝利に貢献した。
☆渡辺雄太(18年10月27日=グリズリーズ)開幕5戦目のホーム・サンズ戦に第4Q残り4分31秒から出場。自ら獲得したフリースロー2本を決めるなど2得点2リバウンドをマークし、117―96の勝利に貢献した。
☆八村塁(19年10月23日=ウィザーズ)マーベリックスとの開幕戦に先発。試合開始2分36秒にゴール下に入り込み初得点を記録した。14得点10リバウンドの“ダブルダブル”を達成。先発でのNBAデビューは日本人初となった。試合は100―108で敗戦。
【祝福の声】
▼田臥勇太(宇都宮) NBA公式戦デビューおめでとうございます。これから米国でいろいろなことを経験していくと思いますが、一瞬一瞬を大切に、毎日の積み重ねを大事にしながら、河村選手らしく目標に向かってNBAのチャレンジを頑張ってください。
▼渡辺雄太(千葉J) おめでとう。(SNSに英語で投稿)
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