DeNA・宮崎 こん身の劇的サヨナラ弾「風で飛んでくれ」 両リーグ最多貯金10

2023年05月05日 05:00

野球

DeNA・宮崎 こん身の劇的サヨナラ弾「風で飛んでくれ」 両リーグ最多貯金10
<D・広>9回、サヨナラ弾を放つ宮崎(撮影・島崎忠彦) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   DeNA3-2広島 ( 2023年5月4日    横浜 )】 DeNAは4日、宮崎敏郎内野手(34)のサヨナラアーチで3―2で広島を下した。連勝で4カード連続の勝ち越しとなり、今季最多の2桁貯金10に12球団最速で到達。15年以来8年ぶり3度目というロケットスタートで、98年以来25年ぶりのリーグ優勝へ向けて早くも独走態勢に入りそうな気配だ。
 風よ、吹け――。歓声の中で宮崎はそう願い走っていた。右翼へ舞い上がった打球。でも、そんな願いは必要ない。打球は劇的なサヨナラアーチとなってスタンドへ届き、チームに両リーグ最速での貯金10をもたらした。

 「打った感じは本当に、そんな感じではなかった。シンプルに振り遅れて“風で飛んでくれ”と」。自身6年ぶり3本目のサヨナラ弾をそう振り返るが、詰まりながらも右手で押し込んで飛距離を出した。両リーグ唯一の4割打者(・411)ならではの打撃技術がなせる一撃だった。

 2―2の9回。宮崎は三浦監督からこう言われた。「ホームランか、塁に出るか、好きな方を選べ」。その言葉に黙って笑みで返すと、見事に一振りで応えたが、実は「どっちも選択しなかった。先頭打者なので次につなごうと思った」。そのつなぐ意識が最良の結果を生んだ。後続の打者たちへの信頼感。「みんなが一つに、打線になっている」

 実感できる時間が宮崎にはあった。4月下旬に5試合スタメンを外れ、3試合欠場。三浦監督は戦略上の理由としていたが、ベンチで試合を見て「後から出る選手や代打の難しさ。そのために何をしたらいいのか。改めて勉強になった」。出番を待つ誰もが準備を怠らない。そこに今の強さの理由がある。

 派手なパフォーマンスをしない武骨な男が、珍しく三塁ベースを回ってヘルメットを放り投げた。「水が見えたから」。歓喜のウオーターシャワーの準備だった。ヒーローインタビューでも、マスコットのDB・スターマンの耳付きカチューシャを着けて登場。「最高です」を3回繰り返したヒーローに、三浦監督も「まさか本当に打つとは。さすが勝負強い」と絶賛した。

 2位阪神と3ゲーム差の首位快走。2桁貯金10への両リーグ一番乗りは15年以来3度目だ。チームを乗せる風は、強烈に吹いている。(秋村 誠人)

 ○…DeNAの両リーグ貯金10一番乗りは96年(20試合目)、15年(40試合目)に次いで8年ぶり3度目。開幕26試合目での2桁貯金は前記96年、73年(24試合目)に次ぎ球団3番目のスピード到達になった。なお、73、96年は最終5位、15年は同6位と序盤の快進撃を生かせなかったが、今季はどうか。

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