阪神のドラ5・石黒 カットボール武器に目指すは“球界のイシグロ” ドラ1下村にもライバル心メラメラ

2023年11月19日 05:15

野球

阪神のドラ5・石黒 カットボール武器に目指すは“球界のイシグロ” ドラ1下村にもライバル心メラメラ
仮契約を終え、広島名物もみじまんじゅうを手にしたJR西日本・石黒(撮影・後藤 大輝) Photo By スポニチ
 阪神からドラフト5位で指名を受けたJR西日本・石黒佑弥投手(22)が18日、広島市内で入団交渉を行い、契約金4000万円、年俸750万円で仮契約を結んだ。長いプロ野球の歴史の中でも過去に1軍出場した「石黒姓」の選手はわずか3人。「球界のイシグロ」を目指す期待の新星が新天地での活躍を誓った。
 入団交渉を終えた石黒は早くもプロとしての自覚をのぞかせた。「一年、一年、死に物狂いで頑張りたい」。実は、その強い決意の裏に、ある“野望”が隠されていた。

 「同じ名字(の人と)はあまり会わない。石黒という名前を有名にできたら」

 自身の名字は球界では“珍名”だった。その事実を知っていた。ドラフト制以降で「石黒姓」の指名は初。また、プロ野球の歴史の中でも過去に1軍出場した同姓選手はわずか3人。同姓では17年にノーベル文学賞を受賞したカズオ・イシグロ氏が世界に名をとどろかせた。必ず自分も――。球界にユウヤ・イシグロの名を広める覚悟を示した。

 最速152キロの直球を主体に直球と得意のカットボールを武器に即戦力として期待される逸材だ。9月15日の社会人日本選手権予選のツネイシブルーパイレーツ戦では9回4安打、86球で完封勝利。先発としても高い適応能力を兼ね備えている。「真っすぐの強さとカットボールに加えて、三振を取るために、落ちる球も磨きたい」と常に高みを目指す。

 名を残す投手へと、まずはチーム内の競争に臨む。JR西日本入社4年目でドラフト指名を受けた右腕は同1位指名された青学大・下村とは同世代。光り輝く東都リーグのエースに早くも対抗心をのぞかせた。

 「同い年なので、ライバル視はします。自分は有名でもないですし、影も薄い」

 謙遜するものの、マウンド上では姿が変貌する。「投げているときは変わると言われます。モードに入っています」。普段の温和な性格とは異なり気迫の投球でチームを鼓舞。「熱くなって投げて、それで結果が出ればチームも盛り上がる。相手を押せるような投球をしたい」。熱き心を秘めるイシグロが熱狂的な虎党を魅了する。(松本 航亮)

 ◇石黒 佑弥(いしぐろ・ゆうや)2001年(平13)6月20日生まれ、愛知県出身の22歳。藤里小1年から藤里スポーツ少年団で野球を始め、宮田中では投手兼捕手。星城では1年から登板。3年夏の愛知県大会2回戦で石川昂(現中日)擁する東邦にコールド勝ち。甲子園経験はなし。JR西日本では3年目の22年からエース。1メートル80、83キロ。右投げ右打ち。

 ○…NPBで1軍戦出場経験のある「石黒選手」は投手の石黒忠(51、52年=広島)、野手の石黒誠作(54~57年=近鉄)、石黒和弘(64~71年=ロッテ)の3人だけ。ドラフト制以降にプロ入りした選手(66年~)では、1軍戦出場の有無を問わず、ドラフト外入団を含めて「石黒選手」はいなかった。

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