“虎1勝”だ!!青学大・下村キラリ修正力!! フォーク駆使し粘投見せた 俊足&2犠打マルチぶり発揮

2023年11月19日 05:15

野球

“虎1勝”だ!!青学大・下村キラリ修正力!! フォーク駆使し粘投見せた 俊足&2犠打マルチぶり発揮
<日本文理大・青学大>力投する青学大の下村(撮影・木村 揚輔) Photo By スポニチ
 【明治神宮大会大学の部準々決勝   青学大8ー4日本文理大 ( 2023年11月18日    神宮 )】 阪神からドラフト1位指名された下村海翔投手(21=青学大)が18日、明治神宮野球大会準々決勝の日本文理大戦(神宮)でドラフト指名後初先発し、6回2/35安打2失点(自責1)の粘投で“虎デビュー星”を挙げた。公式戦では九州国際大付3年夏以来の打席にも立ち、右翼後方への大飛球に加えて2犠打。一塁までの全力疾走も披露し、マルチな活躍でチームをけん引した。春・秋のリーグ戦、全日本大学野球選手権も合わせた史上5校目の「大学4冠」へ好発進した。
 下村海翔、やはりただ者ではない。備える洞察力、修正力、身体能力、そして向上心が、日本一球団に入るにふさわしい。大事な初戦のマウンドで、6回2/3を5安打2失点(自責1)。最速147キロの直球を軸に試合をつくりながら「打者に助けてもらえた。全然満足していない」と次戦以降の逆襲を誓った。

 「四球を(初回)先頭から出してしまい、リズムをつくるのが難しくなった。入りは大事なので、次はもっと気をつけていかないと」

 先制直後の初回、先頭打者に四球を与えた。2点優勢の3回も先頭に浴びた左中間二塁打から9番打者に中犠飛。低めを狙った直球がボールゾーンまで浮き、軽々と外野に運ばれた。4回以降も毎回走者を背負う苦闘ながら決定打は許さず。習得中のフォークを効果的に使い、6回2死一、三塁では遊邪飛、7回1死二塁は遊ゴロで脱出。初冬の寒さとも戦いながら、意地を見せつけた。

 「今まではカットボールに頼っていたところで、フォークで勝負できた。調子が悪い中でも、フォークをいっぱい使えたのは進歩」

 決め球を切り替えた対応能力の高さが光った。また粘りの投球に加えてバットでも魅了。大会前のオープン戦で立った1打席を除けば、九州国際大付3年夏以来となる2回1死一、二塁の第1打席では粘った末の9球目を捉えた。右翼フェンス手前まで運んだ大飛球に「振ったら何か起こるかなといっぱい振った」と無邪気に笑った。

 続く4回1死一塁では2球で一犠打を決め、後続の連打による3点目を誘発。6回1死一塁でも追い込まれながら投犠打。「考えすぎずに(投球が)来たらポンッとやった」。来季からは打撃での貢献度も求められるセ・リーグが舞台。“自助”の小技は、ここぞで必ず生きるだろう。

 もう一つ、見逃せないのが「足」だ。2犠打とも全力疾走を見せ、敵の内野陣を慌てさせた。「寒かったので全力で走った」。軽妙に語った21歳は、大学日本代表でも一、二を争う俊足。50メートル走6秒0で、楽天にドラフト6位指名された同期で外野手の中島大輔と比較しても「50メートルなら勝てる。塁間なら中島が速いと思うが、直線なら僕の方が速い」と胸を張る。

 大目標の「大学4冠」まで、あと2勝。勲章を手にした虎入りへ、マルチな男が躍動をする。  (八木 勇磨)

 ◇下村 海翔(しもむら・かいと)2002年(平14)3月27日生まれ、兵庫県西宮市出身の21歳。小3から野球を始め、甲武中時代は宝塚ボーイズに所属。九州国際大付(福岡)では1年秋からベンチ入りも甲子園出場なし。青学大では1年秋からリーグ戦に登板。1部リーグ通算24試合で7勝5敗、防御率1.63。50メートル走6秒0、遠投120メートル。1メートル74、73キロ。右投げ右打ち。

 ▼阪神・吉野誠スカウト(担当スカウト)初戦ということで硬さもあり、これまで私が見た中で状態は一番悪かったです。ただ、その中でも取り組み中のフォークを駆使するなど試合をつくっていました。全てにおいて対応力の高い選手。打撃も良く、打撃練習では柵越えする打球も打ちますし、走力も(阪神投手陣の中では)トップクラスだと思います。

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