広島・新井監督「楽しみ」左の“幻惑投法”新家 上からサイドから投げ分ける21年育成ドラ1

2023年11月19日 05:45

野球

広島・新井監督「楽しみ」左の“幻惑投法”新家 上からサイドから投げ分ける21年育成ドラ1
広島・新家 Photo By スポニチ
 原石見つけた!広島は日南秋季キャンプ最終クール初日の18日、新井貴浩監督(46)が高卒2年目の育成左腕・新家颯投手(20)に熱視線を送った。黒田博樹球団アドバイザー(48)からの進言で、打者によって、オーバースロー、サイドスローの2種類を使い分ける“幻惑投法”に今キャンプから着手。チームでは救援左腕の整備が課題となっているだけに、指揮官も「来年が楽しみ」と若ゴイの成長に期待を寄せた。
 新井監督はブルペンで投げ込む育成左腕に熱視線を送った。打者によって投球フォームを使い分ける“幻惑投法”。ライバルがまねできない武器の完全習得を目指す新家に助言を送り、期待を寄せた。

 「いいツーシームを投げているし、スライダーもよく曲がっている。それで“左打者に対して(内角を)どんどん使えるようになったら、凄く(投球の)幅が広がるよ”と話をした。このキャンプで、グッと伸びつつある投手だと思う。来年が楽しみ」

 今季は2軍で24試合に救援登板して1勝1敗、1セーブで防御率3・91だった。1メートル82の長身からオーバースローで投げ下ろす角度ある球を得意としていたが、今キャンプからは新たな取り組みに着手。10月下旬の秋季練習で黒田博樹球団アドバイザーから「サイドスローにしたら左打者は嫌な感じもすると思う」と進言を受けた。実戦登板前の投球練習ではサイドスローを交えて準備するのがルーティンで、引き出しの一つではあったが、オーバースローとサイドスローを駆使した“ハイブリッド”スタイルへの挑戦を決意した。

 「左打者にはサイドで投げていく。変化球も(オーバースローの時と)区別できるからいいと思う」

 基本的に左打者へはサイドスロー。右打者にはオーバースローで使い分ける。そうすることで、攻め方のバリエーションも広がり、新井監督も「ものにできたら、対戦する打者は凄く嫌だと思う」という。今秋の紅白戦でも3試合に登板して計3回1失点と上々の内容だ。

 チームは今季救援左腕の成績に苦しんだ。右の救援は島内、大道らの台頭で救援防御率2・94だったのに対し、左はセットアッパーのターリーが頼みの綱で、同3・95。指揮官も「今年はブルペンに左がいなかった。相手からしたら、(打線が)組みやすくなるので、何枚かは必要。ブルペンの左というのは凄く重要なところだと思うので、そこをつくっていきたい」と整備の必要性を説く。

 森浦、塹江、戸根ら救援左腕の巻き返しに期待するとともに、育成の新家にも十分チャンスはある。新井監督が評価する原石は来季、輝きを放てるのか。今後の成長が楽しみだ。(長谷川 凡記)

 ◇新家 颯(しんや・そう)2003年(平15)8月14日生まれ、和歌山県出身の20歳。田辺では甲子園出場はなし。21年の育成ドラフト1位で広島入団。1軍登板経験はなく、今季は2軍で24試合1勝1敗1セーブ、防御率3・91。2軍通算28試合で2勝1敗1セーブ、防御率4・00。1メートル82、83キロ。左投げ左打ち。

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