雨ニモマケズ!巨人・菅野 球団新のビジター9連勝 戸郷に見せたギアチェンジの極意 指揮官も称賛

2024年09月02日 05:30

野球

雨ニモマケズ!巨人・菅野 球団新のビジター9連勝 戸郷に見せたギアチェンジの極意 指揮官も称賛
<神・巨>7回、近本を併殺打に仕留めガッツポーズを決める菅野(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   巨人3―1阪神 ( 2024年9月1日    甲子園 )】 巨人・菅野智之投手(34)が1日の阪神戦で、両リーグトップとなる今季13勝目をマークした。勝率と合わせたリーグ2冠をキープし、ビジターでの9連勝は球団新記録。7回降雨コールドのため、7回1失点ながら今季2度目の完投となった。通算134勝目となり、球団歴代単独11位に浮上。首位・広島も勝ったためゲーム差は0・5のままだが、2位のチームはぴたりと追走していく。
 曲げなかった。首を8度、横に振る。一度プレートを外し、仕切り直し。菅野は、4度目のサインにようやく首を縦に振った。「押し込める自信があったから、あそこまで自分もゴリ押しした」。信頼する捕手・小林に何度も首を振ってまで投げたのは真ん中への直球だった。

 「変化球をマークしているんだろうなというのがあったし、一番分かってても打ちづらいボールを選択した」。同点の5回2死一、二塁。得点圏打率・349の森下にカウント3―1となった。4番・大山も控える中での真っ向勝負。「変化球はスピードが落ちる分、分かっていたら打たれやすい。真っすぐの状態も悪くなかったから」。この日最速の152キロで右飛に仕留めると、右手で小さくガッツポーズしながらベンチへ戻った。

 ギアを思い通りに操れている。前日はエース戸郷で逆転負け。初回は失策も絡んだ失点と嫌な流れの中で、150キロを3度マークするなど出力を上げていた。5回の勝負どころでは最速をマーク。「走者がいる時だけがギアを上げる時じゃないし、いきなり100%にはならない。常に7、8割で投げられるようにしておかないと上げたい時に上がらない、というのはよく(戸郷)翔征に言っている」。まさにお手本となる投球だった。

 5連敗中だった阪神に22年4月1日以来の勝利を飾り、ビジターで負けなしの9連勝。球団史上初の記録に「優勝争いしていると、ビジターでの成績は凄く大事。特に夏場のビジターが多い中で結果が残ってるのは、成長してる部分なのかな」とうなずいた。雨にも動じず粘りを見せ、両リーグ単独トップの13勝目。阿部監督も「グラウンド状況が悪くなってからも、素晴らしいピッチングで7回まで投げ切ってくれた」と称えた。

 「これをやっておけば大丈夫というものは出来上がった」と菅野。進化を続ける背番号18は、負けない。(小野寺 大)

 ≪史上6人目の最多勝4度目見えてきた≫菅野(巨)が最多勝争いで2位に2勝差をつける13勝目。最多勝は17、18、20年と3度手にしており、4度以上なら史上6人目(最多はスタルヒンの6度)になる。また、通算では134勝となり、内海哲也の133勝を抜いて巨人では歴代単独11位に浮上した。今季の菅野はビジターで無傷の9連勝。チームでビジター8連勝は03年上原浩治まで5人(6度)いたが9連勝は菅野が初めてだ。

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