大谷翔平「40-40」達成の記念球を落としたミネソタの野球ファン ボールを失った代わりに得た「愛」

2024年09月02日 08:04

野球

大谷翔平「40-40」達成の記念球を落としたミネソタの野球ファン ボールを失った代わりに得た「愛」
<ドジャース・レイズ>満塁サヨナラ本塁打となる40号を放つ大谷(撮影・西尾 大助) Photo By スポニチ
 ロサンゼルスタイムズ紙のコラムニスト、ビル・プラシキ記者が大谷翔平投手(30)の「40-40」達成のホームランボールを落とした野球ファン、トニー・ボダさん(40)について「ボールは失ったかもしれないが、ドジャースファンから愛を得た」と1日(日本時間2日)に詳しく報じている。
 ボダさんはミネアポリスの保険アナリスト。「美しい黒い夜空に向かって最後の瞬間までボールが見える。群衆が叫んでいるけど、聞こえない。ただ一つ考えるのは、『これをミスするな』だけ」。しかし彼はそれを台無しにした。ボールを落としてしまった。

 ボダさんは15年間、全米のスタジアムでホームランボールを追いかけてきて、これまでに2球をキャッチした。そして今回も数カ月前に何百ドルも支払って、ドジャースタジアムの外野フェンス沿いのホームランシートを購入した。とはいえ、40-40の打球が飛んでくると予測したわけではない。「ドジャースの無名選手が打ってくれても嬉しかった」と言う。

 だが、なんとドジャースの歴史に残るボールが飛んできた。フェンスを越え、虹色のグラブに向かって落ちてきた。しかしボールはグラブに当たってフィールドに戻り、外野手のホセ・シリに拾われ、手の届かないスタンドの奥へ投げ返された。

 「純粋にショック、心が沈んだ」。だがその場に立って苦悩に浸っているとき奇妙なことが起こった。電話が鳴り、ホームランボールをキャッチしようと狙っていた他のドジャースファンが慰めてくれた。さらにボダさんの側にいたファンたちも慰めてくれた。試合後のドローンショーの間もサポートや励ましの声は続き、多くのファンが彼を囲み、背中を叩き、不運を共有し、一人のファンは彼の車まで付き添った。「ある男は“次があるよ、パパ”と言ってくれた」。ホテルに戻る頃には、数十通のテキストと多くのオンラインでの応援の言葉を受け取った。

 「ボールをキャッチすることは人生を変えることかもしれなかった。でもそうではなくても、私がそれを逃したことで得られた教訓もまた人生を変えるものだった。陳腐で馬鹿げていると思うかもしれないが、ドジャースファンから得た愛は、とても大きく、価値のあるもの。私はL.A.が大好きだ」とプラシキ記者に訴えている。

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