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【独占手記】巨人・菅野 復活という言葉もうれしいけど“新しい菅野”見て

2024年09月29日 05:31

野球

【独占手記】巨人・菅野 復活という言葉もうれしいけど“新しい菅野”見て
<広・巨>優勝を決め、抱き合う菅野と小林(右)(撮影・平嶋 理子) Photo By スポニチ
 【巨人4年ぶり48度目リーグ優勝 】 巨人の菅野智之投手(34)が、広島を相手に8回1失点の好投で両リーグ単独トップの15勝目を挙げた。9月は中4日も辞さず首位攻防戦で2度登板するなど、大車輪の活躍だった。昨季の自己最少4勝から見事な復活劇。MVPの最有力候補に挙がるベテラン右腕が本紙に手記を寄せ、4年ぶりの優勝への思いを語った。
 4年ぶりに優勝することができました。うれしいという簡単な言葉で片付けられないくらい凄く充実しているし、本当にほっとしています。前回の連覇では、19年は離脱もあって素直に喜べない自分がいたし、20年もコロナの短縮シーズンでビールかけもなかった。今年はまた違った感情で迎えています。

 阿部監督は「監督っぽくない監督を目指す」と最初に言っていました。最優秀バッテリー賞を獲らせてもらったり、現役時代から一緒にプレーさせてもらった方。何とか胴上げしたいという気持ちでいたし、実現できて良かったです。

 今年は凄く自然体で臨んでいたつもりです。(小林)誠司の存在も大きかったですね。またバッテリーを組んで、改めて新鮮な感情、感覚で投げられた部分があります。誠司はよく「緊張する」とか言うけど、僕は「どうせやるんだったら楽しんでやろうよ」と。後半戦は試合前のブルペンで誠司とグータッチして「よし、今日も楽しんでいこう」が合言葉でした。あと何年できるか分からない。勝負事は苦しいけど、やるからには楽しんでやろうと思っています。

 終盤の起用は素直にうれしかったです。正直、今までは「必要とされている」という感覚がなかった。だけど、オフに内海さんがコーチとして戻ってきて、真っ先に僕の名前を出してくれたし、杉内コーチと3人で食事した時に、初めて「本当に僕のことを思って言葉をかけてくれている」と思えました。「この人たちを裏切るわけにはいかない」という原動力になりました。

 男子ゴルフの中島啓太君との出会いも大きかったです。元々僕のファンということで知人を通じて知り合い、昨年、食事に行きました。ちょうどその頃、神宮のヤクルト戦で1回持たずKOされた試合があって「もう駄目か…」と。かたや中島君は賞金ランキングトップになった時期。会うのは2回目ぐらいだったけど、本当に目を輝かせて僕に会ってくれたんです。日本のトップに立つような人がこんなに応援してくれるんだと思ったし「こんな情けない自分を応援させちゃいけない」と奮い立ちました。

 投手陣最年長になった今季は「支える」がテーマでした。多くの後輩と食事に行ったし、試合もたくさん見るようになりました。特に意識して見たのが、1軍から2軍に行った選手の登板。課題が明白な中で、どうするのか見ていました。気づいたことは言うようにしたし、LINEで伝えることもありました。チームに目を向ける時間は、自分のことより増えたと思います。

 昨季を終えて、自分なりに見つめ直してやってきました。キャンプの時から手応えもあった。復活という言葉もうれしいけど、もう前の自分には戻れない。でも、前よりも良くなっている部分もあるし、フォークも格段に良くなっています。新しい菅野智之として見てくれたらうれしいです。

 ただ、成績は胸を張って「俺、今年凄えぞ」とは言えないです。先発投手は長いイニングを投げてこそ。それだけ試合をつくり、チームが勝つチャンスをつくっているということなので。15勝できたけど、前みたいに200イニング近く投げられているわけではない。貢献度は絶対に戸郷の方が高いと思っています。

 ジャイアンツは日本一になって初めて評価される球団だと思っています。本当に大変なのはここから。だけど、戸郷はもう何も言うことない凄い投手になったし、中継ぎ陣も頼もしい。競ったら負けないと思うし、何とか大勢までつなげば勝機は絶対あります。僕もまだ経験がない日本一。行けると思っているし、その気でいますよ。(読売巨人軍投手)

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