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今季開幕から7試合で10発被弾、防御率5・00のマイケル・キングがエリート先発投手に進化できた理由

2024年10月08日 16:40

野球

今季開幕から7試合で10発被弾、防御率5・00のマイケル・キングがエリート先発投手に進化できた理由
パドレスのマイケル・キング(AP) Photo By AP
 パドレスで第3戦に先発予定のマイケル・キングが今季の途中からピッチングが安定してきた理由を、データサイト「ファングラフス」が分析している。
 序盤はカウントを悪くすることが多く、ストライクゾーンに直球を投げ込んだが、実は彼の直球は打たれやすい。一方でシンカーは打ちにくいが制球が安定しなかった。そこでキングはカウントを悪くしないように、初球からゾーンに積極的に投げ込み、バットを振らせるようにした。カウントが有利になれば、決め球のチェンジアップが決まりやすくなる。2ストライク時に最も使用する球種で、仮にカウントで不利になっても、コーナーに投げてストライクを取れる。それを一貫して行ったおかげで、四球の問題は解決した。

 チェンジアップのコントロールがこれだけ良いと、他のすべての球種もうまく機能する。2ストライク時にシンカーを投げると、打者は混乱する。シンカーとチェンジアップはほぼ同じ軌道だから、打者がチェンジアップだと思ってバットを止めるとシンカーで見逃し三振を奪える。キングが投げる2ストライクのシンカーのうち、18.5%が見逃し三振。彼ほどシンカーでの見逃し三振の多い投手は他にいない。この2ストライク時のシンカーとチェンジアップの新たな使い分けが、キングの復調の鍵となり、201個の三振のうち過半数をこの2つの球種で取っている。

 もう一つのアジャストは横の動き。以前はスイーパーが左側に大きく曲がってくのと対照的に、シンカーとチェンジアップは右側に曲がっていた。これでは打者はスィーパーに対して待ちやすい。シンカーとチェンジアップはお互いに似ているため見分けにくいが、スィーパーは大きく異なる動きをするため、すぐにそうとわかる。

 そこでキングは、中間に新たな球種を加えた。スライダーで、横方向や縦方向の動きはほとんどないが、チェンジアップとスイーパーの中間に位置するように滑る。スライダーがストライクゾーンに頻繁に入るようになったことで、打者はよりバットを振り、キングのボールになるスイーパーを追いかけてくれるようになった。キングは被本塁打が減った。開幕後、最初の7試合で10本のホームランを打たれたが、それ以降の24試合ではわずか7本に抑えている。

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